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	<title>大屋 佳世子 - LIQUL - リカル -</title>
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	<description>お酒を楽しむ人のカルチャーマガジン</description>
	<lastBuildDate>Wed, 11 Nov 2020 23:54:28 +0000</lastBuildDate>
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		<title>大人になったマチルダは、どんな杯を傾けるのだろう</title>
		<link>https://liqul.com/entry/4785</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[大屋 佳世子]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 11 Nov 2020 23:44:01 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ウイスキーコラム]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>マチルダという名は、きっと現代映画史上に残る、最もアイコニックな少女の名のひとつでしょう。 わざわざ言うまでもないけど、今や知らない人のいない大女優、ナタリー・ポートマンが鮮烈すぎるデビュー作＜LEON＞で演じた少女の名 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<figure class="wp-block-image size-full"><img fetchpriority="high" decoding="async" width="1500" height="1001" src="https://liqul.com/upimg/2020/11/ooya272.jpg" alt="" class="wp-image-4787" srcset="https://liqul.com/upimg/2020/11/ooya272.jpg 1500w, https://liqul.com/upimg/2020/11/ooya272-300x200.jpg 300w, https://liqul.com/upimg/2020/11/ooya272-1024x683.jpg 1024w, https://liqul.com/upimg/2020/11/ooya272-768x513.jpg 768w, https://liqul.com/upimg/2020/11/ooya272-696x464.jpg 696w, https://liqul.com/upimg/2020/11/ooya272-1392x929.jpg 1392w, https://liqul.com/upimg/2020/11/ooya272-1068x713.jpg 1068w, https://liqul.com/upimg/2020/11/ooya272-629x420.jpg 629w, https://liqul.com/upimg/2020/11/ooya272-1259x840.jpg 1259w" sizes="(max-width: 1500px) 100vw, 1500px" /></figure>



<p>マチルダという名は、きっと現代映画史上に残る、最もアイコニックな少女の名のひとつでしょう。</p>



<p>わざわざ言うまでもないけど、今や知らない人のいない大女優、ナタリー・ポートマンが鮮烈すぎるデビュー作＜LEON＞で演じた少女の名。</p>



<p>「一仕事」終えたヒットマンが牛乳を手にアパートに戻ると、廊下で階段に足を投げ出しタバコを咥えた少女に出会う。ピュアで翳りを含んだ、この上なくアンニュイでかつ突き刺すように真っ直ぐな少女の眼差し。彼女の銀幕デビューのシーンは、私を含む多くの観客を虜にし、20年経ったいまも離さない（といいつつ、当時小学生の私は映画館ではこの映画を見られていないのだけど）。</p>



<p>泣いていた彼女を励ました「ブタさん」の鍋つかみを探して買ってしまったのも、私だけではないハズ。少なくともうちの姉は持っている。因みにAmazonで買えるので、「鍋つかみ　豚」で検索だ。</p>



<p>2020年の今見ても、本当に色あせることのない名作であり、マチルダは永遠の美少女となった。<br> 94年公開の本作において、マチルダは12歳。物語がスクリーンの外で続いていたとしたら、彼女は38歳ということになる。</p>



<p>決して続編など製作して欲しくはないが（いや、でも万が一公開されれば初日に見にいくことに違いない）、ここまで長年心の片隅に染みを落とす作品は、「今日、彼女がいればきっとこんな……」という想像を掻き立てる。</p>



<p>38歳になった彼女の右手には何が握られているだろう。銃でない、きっと。女優の聡明さとどうしても相まって、知的な仕事に就いている姿が思い浮かぶ（ナタリーは＜LEON＞公開当時のインタビューにてすでにアイビーリーグ進学の意思を示し、その後見事、現役でハーバードに入学している）。</p>



<p>私が思い描くマチルダ（38）は、独身で、NYで活躍する弁護士。そして絶対・アンド絶対、趣味はお酒だと思うのだ。エヴァのミサトさんがそのまま歳くったようなものかもしれない。いやちょっと違うか。</p>



<p>マチルダが好むお酒？　絶対ハードリカーだと思いませんか。しかも、ほぼ間違いなく、ウイスキー。もしかしてちょっとやさぐれすぎていたら、ウォッカとかニートで流し込んでいる可能性もなくはないけど……。香り高いウイスキーを、ミルクを飲むような雑なグラスで、きっとロックで飲んでいると思うのです。<br>だって、ウイスキーは孤独の酒、だから。</p>



<p>自分の棚に目を走らせて、マチルダが窓辺で膝を抱えて舐めていそうなボトルを探す。</p>



<p>これだな、と思い手に取ったのは、G＆Mのカリラ。HOOP向けにリリースされたものを、特別に会員の方から譲り受けたボトル。2005年蒸留、2016年ボトリング。</p>



<p>実は、私にとって初めて自腹で購入したボトラーズシングルモルト。「初めて」という特別な感情に、マチルダの想いをほんのり重ねる（このニュアンスがわからない方は、＜LEON 完全版＞をご覧ください。劇場版とは全然ふたりの関係性が違います）。</p>



<p>レオンとの思い出に煙は欠かせないでしょう。それも、モクモクと雄弁な煙ではない。サイレンサーを着けた銃口から立ち上がる細い煙が、NYのアパートの狭い部屋に薄く広がっていく。このカリラにその「細く、広がっていく煙」はぴったり。少しリッチに続く甘い余韻のスモークは、まさに戦場の記憶（知らんけど）。少し強くアタックしてくるBBQ感は、最期の「マチルダからのギフト」の臭いかもしれない。</p>



<p>しかし、味わいはあくまでもフルーティ。レオンの長い人生に於いては、走馬灯よりも短いかもしれない奇妙な共同生活の甘い記憶を思わせる。</p>



<p>そして後味に一抹残る青草の臭いが、ふたりが育てたアグラオネマを彷彿させる、ような……。</p>



<p>ここまでが、私の中のマチルダ(38)のグラスの中身。<br>あなたのマチルダは、今宵、何を飲んでいますか？　そんな想像を巡らせながら舐める一杯も、きっとたまには乙。お気に入りの映画を思い起こしながら、彼女や彼が飲みそうなお酒をグラスに注いでみませんか。</p>



<p>なお、私のグラスに注がれたHOOPのカリラ・オンザロックは、ここまで書き進めるうち、もちろん、とうに空になってしまいました。</p>



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			</item>
		<item>
		<title>生まれ年ウイスキーを巡って</title>
		<link>https://liqul.com/entry/4464</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[大屋 佳世子]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 19 Sep 2020 15:05:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ウイスキーコラム]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>「かわいいおばあちゃんになりたい」13歳の私は、将来の夢を尋ねられて、そう答えた。 外交官とか、学校の先生とかが模範解答だったのだろう。でも当時の私には何ひとつ将来のビジョンなんて思い浮かばなかった。職業も、家族の有無も [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="1620" height="1080" src="https://liqul.com/upimg/2020/09/ooya27-1.jpg" alt="" class="wp-image-4465" srcset="https://liqul.com/upimg/2020/09/ooya27-1.jpg 1620w, https://liqul.com/upimg/2020/09/ooya27-1-300x200.jpg 300w, https://liqul.com/upimg/2020/09/ooya27-1-1024x683.jpg 1024w, https://liqul.com/upimg/2020/09/ooya27-1-768x512.jpg 768w, https://liqul.com/upimg/2020/09/ooya27-1-1536x1024.jpg 1536w, https://liqul.com/upimg/2020/09/ooya27-1-696x464.jpg 696w, https://liqul.com/upimg/2020/09/ooya27-1-1392x928.jpg 1392w, https://liqul.com/upimg/2020/09/ooya27-1-1068x712.jpg 1068w, https://liqul.com/upimg/2020/09/ooya27-1-630x420.jpg 630w, https://liqul.com/upimg/2020/09/ooya27-1-1260x840.jpg 1260w" sizes="(max-width: 1620px) 100vw, 1620px" /></figure>



<p>「かわいいおばあちゃんになりたい」13歳の私は、将来の夢を尋ねられて、そう答えた。</p>



<p>外交官とか、学校の先生とかが模範解答だったのだろう。でも当時の私には何ひとつ将来のビジョンなんて思い浮かばなかった。職業も、家族の有無も。唯一思い浮かんだ像が、にこにこ笑うかわいらしい老婆だった。</p>



<p>そんなことを思い返すきっかけがあった。</p>



<p>多くの酒類ラヴァーが同じ道を通ると思うのだけど、私もこの数年ずっと夢想していた。自分が生まれた年に蒸留されたウイスキーを、自宅の棚に加えること。</p>



<p>先日、ついにその購入に踏み切った。5万円程度を予算に、我が家に招き入れたのはグレンタレット 26年。コレクター的には「かわいらしい」予算感かもしれないが、これまで1.5万円くらいのボトラーズものをドキドキしながら手にしていた私からすれば、一大決心を要する決済となった。</p>



<p>なにせ、自身の誕生日が近いのだ。</p>



<p>当日の夜には、このウイスキーの特別な価値を共有できる仲間たちを呼ぶことにした。秩父ウイスキー祭に例年付き合ってくれる大学時代からの親友。Facebookにウイ検2級を取ったと書いていた新卒同期。中学時代の悪友。みんな私と同じ、ウイスキーを愛する1986年生まれだ。</p>



<p>まだ開栓前だが、重厚感のある箱を眺めながら、このウイスキーのある未来を考える。</p>



<p>毎年誕生日にハーフで飲めば、40年くらい飲める計算。私の顔は年々幼少期の写真の中の母に似てきているので、きっと70の私はいまの母の顔をしているに違いない。悪くない、というか、70の母は、結構かわいい。私もあの雰囲気になるかな？　ちょっとくすぐったく笑ってしまう。</p>



<p>あっ。</p>



<p>冒頭に記した夢を不意に思い出したのだ。「かわいいおばあちゃんになりたい」そう言っていたけど、どんな風に自分が歳を重ねていくのか、やっぱり想像は全くついていなかった。</p>



<p>それが急に繋がった。これからウイスキーが紡いでいく40年、そして母に巡らせた思いが、初めて「かわいいおばあちゃん」といまの自分に、一本の線を結んでくれることとなった。</p>



<p>せっかく箱が付いているのだし、蓋の裏に、年表をつけることにしよう。</p>



<p>34歳からスタートし、75歳まで続く年表。その年に感じたテイスティングノートと、その年にあった印象的な出来事、そしてその日の素直な感情を書き記していこうと思う。きっと数年後にはこそばゆくて目も当てられなくなるだろうけど……</p>



<p>このボトルと迎える75歳の、かわいいおばあちゃんになった私。ずっとお酒を愛していられるように、健康を維持していないとね。そのためには日常の飲酒は適量に。年に一度開けるボトルと「誕生日ノート」が、きっと毎年私を戒めてくれることになるだろう。</p>



<p>この8月11日、友人たちと最初のノートを記すのが、なんだかとても楽しみになってきた。</p>



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			</item>
		<item>
		<title>こっそり贅沢をしてみた夜は幸せな夜だった</title>
		<link>https://liqul.com/entry/3789</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[大屋 佳世子]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 10 Jun 2020 07:01:49 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ウイスキーコラム]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>2020年2月末日、世に自粛ムードが滲みはじめていた頃。私は初めて、北千住のバー『HONESTY』のドアを開けた。 マスターの田頭さんは酒育の会設立当初からの顔見知り。いつかお伺いしたいと思いながら、2年以上経ってしまっ [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="724" src="https://liqul.com/upimg/2020/06/ooya25-1-1024x724.jpg" alt="" class="wp-image-3790" srcset="https://liqul.com/upimg/2020/06/ooya25-1-1024x724.jpg 1024w, https://liqul.com/upimg/2020/06/ooya25-1-300x212.jpg 300w, https://liqul.com/upimg/2020/06/ooya25-1-768x543.jpg 768w, https://liqul.com/upimg/2020/06/ooya25-1-100x70.jpg 100w, https://liqul.com/upimg/2020/06/ooya25-1-200x140.jpg 200w, https://liqul.com/upimg/2020/06/ooya25-1-696x492.jpg 696w, https://liqul.com/upimg/2020/06/ooya25-1-1392x985.jpg 1392w, https://liqul.com/upimg/2020/06/ooya25-1-1068x755.jpg 1068w, https://liqul.com/upimg/2020/06/ooya25-1-594x420.jpg 594w, https://liqul.com/upimg/2020/06/ooya25-1-1188x840.jpg 1188w, https://liqul.com/upimg/2020/06/ooya25-1.jpg 1500w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>2020年2月末日、世に自粛ムードが滲みはじめていた頃。私は初めて、北千住のバー『<a href="http://www.bar-honesty.com/" target="_blank" rel="noreferrer noopener" aria-label="HONESTY (opens in a new tab)"><strong>HONESTY</strong></a>』のドアを開けた。</p>



<p>マスターの田頭さんは<strong><a href="https://shuiku.jp/" target="_blank" rel="noreferrer noopener" aria-label=" (opens in a new tab)">酒育の会</a></strong>設立当初からの顔見知り。いつかお伺いしたいと思いながら、2年以上経ってしまっていた。</p>



<p>緊張気味にそっと覗く。開店直後。私がひとり目だ。マスターは私を覚えているだろうか。</p>



<p>「あら、今日でしたか。」　驚きの見えない反応に、却ってほっとした。</p>



<p>ずらり並んだボトルを眺め、山崎とアランが好きなんです、オススメはありませんか、と投げかけた。マスターはてきぱきとボトルを探り始める。</p>



<p>私はこの、バーテンダーさんがモルトを探すときの横顔がたまらなく好き。</p>



<p>知識と感性をフルに動員してゲストを楽しませようという、バーテンダーとしての矜持、しかしその実、ひとりのひととしての意地に近いものを感じる。</p>



<p>あぁ、このカウンターに立てるひとはきっと、弛まぬ好奇心を持ち続けられるひとなんだろうなぁ。</p>



<p>しかしどんな渋いマスターも、ボトルに手をかける瞬間は、目の奥に少年の光を灯す気がする。見つけてやったぜ！　という、少しいたずらな達成感を含んだ、無邪気なきらめき。その光が、特に好き。</p>



<p>そしてその好奇心のきらめきを灯した瞳とプライドの落ち着いた輝きを背負った佇まい（この表現がセクハラにならないことを願うが……笑）は、男女共にたまらなくセクシーだ。</p>



<p>一瞬のときめきを味わっているうちに差し出されたのは、シグナトリーのグレンバーギー21年。私がテイスティングノートに窮していると、ジガーを鼻にかざし、「ん～～。ちょっと和菓子感ありません？　もちもち系のやつ」。</p>



<p>和菓子といえばね、私が初めて参加したテイスティング会で、あるモルトを桜餅って評した方がいらして。ウイスキーって自由だなあって……。話に勢いがつく。さすが、 “ネイバーフッド・バー”をコンセプトに掲げるマスター。万年初心者の私にも、決して気後れさせることなく、楽しませてくださるのであった。</p>



<p>都合４杯。グラスの底に残った香りまできっちりいただいてから、席を立った。</p>



<p>しまった、シェイカーも振っていただこうと思ってたのに。</p>



<p>まぁいいや、次の楽しみにしよ。</p>



<p>ふふ、とひとり夜風に笑う。頬があたたかく柔らかくなっていたのは、アルコールだけじゃなかったろう。</p>



<p>《不要不急の外出は避けましょう》《大勢のひとが集まる場所には行かないで》</p>



<p>そんなときでも、愛すべき文化は存続していてほしい……。ひとり、こっそり不要不急の贅沢をしてみた夜は、幸せな夜だった。 </p>



<p>この筆を置くまでの期間にも、状況は刻一刻と変わっている。このコラムが読まれる時、世の中はどうなっているだろうか。「こんな時もあったねえ」と思える日が一日も早く訪れることを、願わずにはいられない。 </p><p>The post <a href="https://liqul.com/entry/3789">こっそり贅沢をしてみた夜は幸せな夜だった</a> first appeared on <a href="https://liqul.com">LIQUL - リカル -</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>心・オンザロックで溶ける夜。</title>
		<link>https://liqul.com/entry/3219</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[大屋 佳世子]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 24 Mar 2020 01:28:31 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ウイスキーコラム]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>その部屋には、いつも山崎12年が用意されていた。 首には勝手に私の名刺が掛かけられていて、「おかえり」と言っているようだった。そこに響、フィディック、マッカラン、ダルモアやシーバスミズナラなどが加わり、キュポン、という小 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<figure class="wp-block-image size-full"><img loading="lazy" decoding="async" width="1500" height="1011" src="https://liqul.com/upimg/2020/03/ooya24-1.jpg" alt="" class="wp-image-3220" srcset="https://liqul.com/upimg/2020/03/ooya24-1.jpg 1500w, https://liqul.com/upimg/2020/03/ooya24-1-300x202.jpg 300w, https://liqul.com/upimg/2020/03/ooya24-1-1024x690.jpg 1024w, https://liqul.com/upimg/2020/03/ooya24-1-768x518.jpg 768w, https://liqul.com/upimg/2020/03/ooya24-1-696x469.jpg 696w, https://liqul.com/upimg/2020/03/ooya24-1-1392x938.jpg 1392w, https://liqul.com/upimg/2020/03/ooya24-1-1068x720.jpg 1068w, https://liqul.com/upimg/2020/03/ooya24-1-623x420.jpg 623w, https://liqul.com/upimg/2020/03/ooya24-1-1246x840.jpg 1246w" sizes="auto, (max-width: 1500px) 100vw, 1500px" /></figure>



<p>その部屋には、いつも山崎12年が用意されていた。</p>



<p>首には勝手に私の名刺が掛かけられていて、「おかえり」と言っているようだった。そこに響、フィディック、マッカラン、ダルモアやシーバスミズナラなどが加わり、キュポン、という小気味のいい音を合図に、小さなパーティーが始まる。</p>



<p>他愛もない世間話に始まり、徐々に気分がよくなると、友人はギターを手にして、好き勝手弾き始める。私はそれに合わせて歌った。強いお酒をしこたま飲んでいるのに、不思議と声は枯れない。24時を過ぎても、疲れは感じなかった。</p>



<p>私はその瞬間の自分の歌声が、というよりも自分自身が、一番好きな自分だった。</p>



<p>午前3時を回るころ、彼は力尽きソファに寝転ぶ。私はもう暫くグラスに残った琥珀を味わい、弾けないギターを爪弾いたりして、ブランケットにくるまった。無音。妙に目が冴え、眠れはしない。でも、朝の空が白んでいく気配を感じる時間は、格別に愛おしかった。</p>



<p>3年ほど前の話、よくある男女の友情の終わり方。互いの人生のいくつかの岐路を経て、想い出になった日々である。</p>



<p>遡ると、ウイスキーとの出会いは震災の頃。いくつかの東北支援団体に顔をだしていた中、ある団体の代表が素晴らしいウイスキーコレクターで、「濃密な早期英才教育」を受けた。</p>



<p>残業で疲れた夜。言語化しきれない想いを抱えたとき。バーは自分の内面と向き合う時間をくれた。</p>



<p>それは決して寂しいものではなくて、「孤独とは時に贅沢で優しい過ごし方なのだ」と知った。</p>



<p>最近は、狭い部屋に常時20本以上のボトルが並ぶ。ボトラーズやレアカスクなんかも、少しずつ手を出すように。同年代の友人や同僚と、品評会の真似事をしたりも。定期的に通う「秘密のバー」もできた。職種や所属、年齢を超えた関係性は、仕事のみならず人生をも豊かにしてくれると感じている。</p>



<p>はじめは孤独の酒、いつかは淡い想い出の酒、そしていまや仲間の酒となったウイスキー。それは、心を溶かし、開かせてくれる掛け替えのない媒介だ。</p>



<p>一番美味しかったウイスキー？それはもちろん、手嶌葵を歌いながら舐めた、あの山崎12年。たぶん、これからも。 </p><p>The post <a href="https://liqul.com/entry/3219">心・オンザロックで溶ける夜。</a> first appeared on <a href="https://liqul.com">LIQUL - リカル -</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
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