ブランデーで有名なコニャックですが、コニャック製造に欠かせない収穫機、蒸留器、ガラス瓶、コルク、そして樽など全てコニャック生産地域に製造会社があるのも特徴ではないでしょうか。
その内の一つ、樽を造る世界的にも有名な会社Seguin Moreau(セガン・モロー)にお邪魔しました。コニャック市内から車で10分程度、Merpins(メルパン)という場所にあります。
姉妹会社であるレミー・マルタンのすぐ目の前です。
ワイン、ウイスキー、ブランデーなど、樽熟成をするお酒はこの世にとても多いですよね。ここ、セガン・モローはフランスをはじめ世界5000社と取引を行っています。そのうち約80%がワインの熟成に、20%がコニャック含む蒸留酒の熟成に使われています。
樽を造るのに大切なポイントは3つあります。
一つ目は樹の産地。ここ、セガン・モローでは70%がフランス産、20%がアメリカ産、残り10%が東ヨーロッパ産の木材を使用しています。
二つ目は樹の種類。樽生産に向く、向かないを問わず、世界には600種類ものオークがありますが、セガン・モローの樽にはSessileとPédonculéの2種のみを使用しています。
そして三つ目が焼き。この時の焼きは、樽を形作る時のそれではなく、お酒の香りに影響を与える二度目の焼きのことを指します。ワイン用樽では11種、蒸留酒用樽では9種の異なる焼きがあります。
つまり、消費者(ワインや蒸留酒の生産者)が求める樽を造ることが可能です!
セガン・モローの特徴として、維持可能な森で生産活動をしている証明にPEFCというラベルを取得しています。良い樽を造るだけでなく、環境にも配慮しているという証明です。
さらに、ことあるごとに木材の品質チェックも行っています。コルク臭、ブショネの原因であるTCAのリスクも調べています。
また、樽を造る前に木材を屋外に置いておく時期があります。セガン・モローは平均24か月。
その前に45日もの間、2時間おきに45分間水をかけています。これによって不必要なタンニン等が洗い流されるとのこと。
2か月の乾燥期間を経た後、木材をカットし、樽造りの行程が始まります。
もちろん樽の生産において品質チェックは欠かせません。
セガン・モローは科学的な分析も多く行っている会社で、樽の品質の高さでも有名です。年間8万樽を生産していて、その一部は日本にも入っています。 樽づくりの世界も奥深いな、と感じた今回の訪問でした。