残念ながら、あらゆるお酒のなかで最も誤解の多いお酒がテキーラ。まずは思い込みをリセットしよう。
テキーラの誤解を解く
×誤解「一気飲みのお酒!」
罰ゲームや、一気飲みというイメージが強いテキーラ。そんな悪ノリをした飲み方で、具合が悪くなった経験をした方も多いのでは?
でも、この飲み方は全くの間違い。テキーラは、原料の収穫までに平均7年と長い長い時間がかかる貴重なお酒。
一気飲みするなんて、もってのほか。味と香りを感じながら、ゆっくり楽しみましょう。
×誤解 「悪酔いする!」
テキーラで意識をなくしたり、ひどい二日酔いになったことがあるとすれば、ゲーム感覚であおるような飲み方で、飲み過ぎたことが原因。
テキーラの中でも、混じりけのない100%アガベのものは、体内で分解しやすく二日酔いになりにくい、優しい酔い心地のお酒です。
×誤解 「キツくて強い危険なお酒!」
テキーラというと、すぐに酩酊してしまう強いお酒だと思っている方がほとんど!
でも、実際には、だいたいのテキーラはアルコール度数38%か40%。公式規則で35~55%で作るよう定められているので、極端に度数が高いものはありません。むしろ、ウイスキーやラム、ウォッカのほうが高アルコールのものがあるのです。
×誤解 「原料はサボテン」
メキシコのイメージから、テキーラはサボテンが原料と思われがち。でも、原料は「アガベ」という大きな植物。日本語では「リュウゼツラン(龍舌蘭)」。
さらに約200種類あるアガベの中で、テキーラの原料となるのはたった一種類。「アガベアスール」(ブルーアガベ)のみ。
×誤解「キンキンに冷やす!」
クラブやカジュアルなバーでテキーラを頼むと、冷凍庫でキンキンに冷えたものを出されることが多いため、冷やすものだと思っている方も多いはず。
冷えてトロトロになった状態も美味しいけど、例えばシングルモルトを冷やして飲もうとはしないですよね?どうしても温度が下がると香りは閉じるし、味わいも感じにくくなるもの。
ストレートで飲むなら、おすすめは常温です!
×誤解「イモ虫入り!」
テキーラはイモ虫が入ったお酒だと勘違いしている方もいますが、テキーラのボトルに異物を混入することは、認められていません。
イモ虫入りのものがあるのは、テキーラの元祖ともいえる“メスカル”というお酒。古くはテキーラもメスカルの一種でしたが、現在は区別されています。
×誤解「塩とライムが必要!」
塩を舐めてライムをかじりながらテキーラを飲む。この楽しみ方は、かつてテキーラが荒々しい味わいだった頃に、飲みやすくするための慣習のようなもの。
また、太陽が照りつけるメキシコの地で、汗で奪われた塩分とビタミンを補給する意味合いも。近年増えている100%アガベのスムーズな味わいのテキーラに、塩とライムを使うのは少しもったいない。飲み方は好き好きですが、まずはそのまま味わって。
×誤解「どこでも作れるお酒!」
国産のラムやジンの人気が高まっていますが、テキーラは日本国内では作れません。
4大スピリッツの中で唯一“原産地呼称制度”が定められたお酒なのです。
そもそも、テキーラとはメキシコのハリスコ州にあるテキーラ発祥の土地の名前。この地を中心に、メキシコ国内の5つの州で作られ、厳しい条件をクリアしたもののみ、テキーラの認可を受けることができます。
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