この記事は、過去に行われた酒育の会の定番セミナー「テイスティング技術向上セミナー」の内容を総括した記事です。セミナー講師である谷嶋元宏氏のコメントをお楽しみ下さい。
この記事の目次
テーマ「新規蒸溜所の特徴を探る」
今回は2025年2月8日・9日に開催されたセミナーの総括です。テイスティングアイテムは下記の5つ。
- ストラスアーン
- ホリールード アンビア
- グラスゴー 2015-23 Y’s CASK
- ヒーラック アイルオブハリス
- アードナッホー5年


総括 by 谷嶋元宏
新規蒸溜所からのリリースが相次いでいる。
3年でリリースされるものもあれば、7.8年などある程度熟成するまで待ってからリリースされるものまで、各社の考えが垣間見られる。
ストラスアーンは小型のポルトガル・ホヤ社製アランビック蒸留器(長濱蒸溜所と同様)を使用しており、他の4アイテムとは香味や酒質が異なる印象を得る。
ホリールード蒸溜所は様々な麦芽や酵母を使うラボ的な印象。今回のウイスキーについても数多くの原酒をブレンドしたものだが、こちらもちょっと独特な香味で、好みは分かれるだろう。アイルランドの蒸溜所でも話題になったが、愛飲家が求める以上のこだわりはリスクが生じる。この蒸溜所はエジンバラの中心にあり、観光スポットとして機能しているのでアドバンテージはあるが…
その他3蒸溜所のウイスキーは従来のスタイルで造られ、それぞれ個性的な香味を体感できる。
まだまだ創設から間もない蒸溜所なので、現状でとやかくいうのもいかがかとは思うが、第一印象はかなり大きい。特にウイスキーは嗜好品であるから。あまり良い印象を得なかったウイスキーを、再度飲みたいと思わせるのはかなり難しいと思う。
テイスティング技術向上セミナーとは?

この講座は、毎回テーマに沿ったウイスキー(ウイスキー以外のときもあります)を5アイテムご用意し、ブラインドでテイスティングを行って頂きます。事前にテーマをお知らせしませんので、当日テイスティングを進めるうちにテーマが見えてくるスタイルです。
ブラインドでウイスキーの銘柄を当てることは、ほぼ不可能ではないでしょうか?
従って、ここでは銘柄を当てることより「そのウイスキーが何なのかを推測する過程」 に重きを置きます。参加者の皆さまにテイスティングコメントを頂いた後、「そのウイスキーが何なのか」を推理していただきます。
テイスティングで感じた香味(ボディーの厚み、余韻の長さ、樽の使い方、ピートの効かせ具合など)から、製造工程の特徴を把握し、ウイスキーの銘柄を推測するこ とを体験していきましょう。また、この講座にはマスター・オブ・ウイスキーの方も参加されていますので、彼らのテイスティングコメントを聞きながらテイスティングできる貴重な機会となっております。
ほぼ毎月2回定期開催しております。
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