この記事は、過去に行われた酒育の会の定番セミナー「テイスティング技術向上セミナー」の内容を総括した記事です。セミナー講師である谷嶋元宏氏のコメントをお楽しみ下さい。
この記事の目次
テーマ「ワイン樽後熟を再考する」
今回は2025年5月17日・18日に開催されたセミナーの総括です。テイスティングアイテムは下記の5つ。
- アイル・オブ・ラッセイ Batch R-02.1
- アイル・オブ・ラッセイ リミテッドリリース アンピーテッド ライウイスキーカスク
- アイル・オブ・ラッセイ リミテッドリリース アンピーテッド チンカピンオークカスク
- アイル・オブ・ラッセイ リミテッドリリース アンピーテッド ボルドーレッドワインカスク
- アイル・オブ・ラッセイ リミテッドリリース アンピーテッド フォアローゼスカスク

総評 by 谷嶋元宏
この蒸溜所の特徴はいろいろあるが、なんといっても樽使い、通常用いられない樽で熟成を行っていること。定番品にはライウイスキー樽、チンカピンオーク新樽、ボルドー赤ワイン樽にて熟成。
ライウイスキー樽については、昨今後熟で用いられているが、やや独特な香味が付加され、あまり好ましくない印象なものも多い。
今回のサンプル2と5の比較から、よりライウイスキー樽の個性が感じ取れる。5のバーボン樽は綺麗で華やか、優等生だが少し物足りない印象。2のライカスクは、いい意味で程よい雑味があり、複雑で好ましい。
チンカピンオークはアメリカンオークの一種で、アメリカンホワイトオークよりは熟した果実感がもたらされるとのこと。3はハイロースト・ハイチャーした新樽だが、アメリカンホワイトオークの新樽で感じられるウーロン茶葉(ウェットな状態)から感じられるエグ味のある渋さがなく、確かにより熟した果実感が好ましい印象。値段的にはこの3種の中でダントツで高価とのこと。
ボルドー赤ワイン樽熟成4は、ネガティブな印象はなく、しっかりとしたタンニン感や赤いニュアンスを楽しめる。
これらは後熟ではなく、ニューポットから熟成を行っているのも興味深い。今回のサンプルは5年熟成とのことだが、10年熟成などになった時にどのようになるか、楽しみだ。
今回のサンプル2〜5はノンピーテッド麦芽で仕込んだウイスキーだが、定番品にはピーテッド麦芽も使い、計6種の原酒をブレンドしている。
テイスティング技術向上セミナーとは?

この講座は、毎回テーマに沿ったウイスキー(ウイスキー以外のときもあります)を5アイテムご用意し、ブラインドでテイスティングを行って頂きます。事前にテーマをお知らせしませんので、当日テイスティングを進めるうちにテーマが見えてくるスタイルです。
ブラインドでウイスキーの銘柄を当てることは、ほぼ不可能ではないでしょうか?
従って、ここでは銘柄を当てることより「そのウイスキーが何なのかを推測する過程」 に重きを置きます。参加者の皆さまにテイスティングコメントを頂いた後、「そのウイスキーが何なのか」を推理していただきます。
テイスティングで感じた香味(ボディーの厚み、余韻の長さ、樽の使い方、ピートの効かせ具合など)から、製造工程の特徴を把握し、ウイスキーの銘柄を推測するこ とを体験していきましょう。また、この講座にはマスター・オブ・ウイスキーの方も参加されていますので、彼らのテイスティングコメントを聞きながらテイスティングできる貴重な機会となっております。
ほぼ毎月2回定期開催しております。
開催日一覧はコチラから

