その鮮やかな色彩から、“グラスの中の宝石”と呼ばれるカクテル。
味わいもさまざま、その日の気分で、自分好みのカクテルを楽しみましょう!
Barで特別な1杯を・・・・・・乾杯!!
カクテルって何?
カクテルとは、お酒とお酒、お酒とジュースなど2つ以上の材料を混ぜてつくられる飲料のことです。よって、水割りやソーダ割りなどもカクテルということができます。また、アルコールを含まないものは、ノンアルコールカクテル、またはモクテル(Mock : 模造品とCocktailの造語)と呼ばれて、オンメニューするお店が増えてきました。
カクテルの技法はシェーク、ステア、ビルドの3つに分けられます。
シェーク
シェークは氷と材料をシェーカーに入れて振ることで、冷やすとともに空気をカクテル内に含ませてまろやかな味わいに仕上げます。
ステア
ステアはミキシンググラスでステア(回し混ぜる)するので、ベースのお酒の個性をそのまま活かす手法です。
ビルド
ビルトはロックグラスやタンブラーなどに氷を入れてそこに材料を注いでつくり上げるカクテルで、ご自宅でも簡単にできるカクテルですね。
また、カクテルはそのグラスによって、ショートとロングに分けることができます。
ショートは三角形のカクテルグラスでサーブされて、アルコール度数は比較的高くなります。対してロングは、ジュースやソーダ類などを使うので度数が低く、飲みやすいものが多くなります。
居酒屋さんなどでつくられるカクテルと、バーでのカクテルは一味違います。また、バーテンダーやお店によってもその味わいに個性が出ます。いろいろなお店で同じカクテルを飲み比べて、自分の好みに合った一杯をつくる相性の良いバーテンダーを見つけるのも楽しいですよ。
カクテルは自由な組み合わせができる無限の可能性を秘めた飲み物です。是非、いろいろなものを試してみてくださいね。
ジントニックの魅力
カクテルの中で最も注文されるのはジントニックかもしれません。
バーに入ってとりあえず「ジントニック!」。
ジンとトニックウォーター、ライムを使った爽快感のあるロングカクテル。のど越しがよく、最初の一杯目として最適です。とてもシンプルなカクテルですが、ジンやトニックウォーターの種類によって味わいが変わるので、バーテンダーに聞いてその違いを楽しんでみてください。
バーによって、置いてある銘柄もつくり方も異なりますので、飲み比べると面白いですよ。
ベースの個性
多くのカクテルはベース+リキュール+果汁でつくられますが、その中でベースだけ異なるものが多くあります。例えばジントニック。ベースのジンをウォッカに変えればウォッカトニックとなります。
代表的なものに、ホワイトレディー・バラライカ・XYZ・サイドカー・マルガリータがあります。ベースはそれぞれ、ジン・ウォッカ・ホワイトラム・ブランデー・テキーラで、ホワイトキュラソーとレモンジュース(マルガリータはライムジュース)を加えてつくられます。バーボンやライウイスキーなどをベースにつくるマンハッタンも、ベースをスコッチにすると、スコットランドの英雄ロブ・ロィになります。
飲み比べてみると、ベースのお酒の個性がよりわかって楽しめます。その日の気分でベースを変えて楽しめれば、もうあなたはカクテルの上級者!
マティーニ&マンハッタン
カクテルの王様 マティーニ
カクテルの王様といえばマティーニです。
マティーニはジンとドライベルモットをステアしてつくるシンプルなカクテルです(オレンジビターズやレモンピールを加えるレシピも)。ジンとベルモットの銘柄を何にするのか、その割合をどうするのか、バーテンダーの個性が出ますね。
ジンとベルモットの割合は、かつて1:1が主流でしたが、現在はジンの割合が多い5:1~10:1くらいのいわゆるドライマティーニが好まれています。もっとドライに「ジンのストレートを飲みながらベルモットのボトルを眺める・・・・・・」となると、もはやカクテルではありません。イギリス元首相チャーチルの逸話ですが、そんな変わった飲み方をしている人もいるんですよ。
最近はさまざまなマティーニが創作されています。フルーツマティーニやチョコレートマティーニ、果てはお茶漬けマティーニまで。マティーニグラスで提供されるカクテル全般を、マティーニと呼んでいるのです。クラシカルなマティーニとは違いますが、そのバラエティーを楽しんでみると、よりカクテルの深さが感じられますね。
カクテルの女王様 マンハッタン
一方、女王様というとマンハッタンでしょうか。
ウイスキーとスウィートベルモット、ビターズをステアしてつくるスパイシーでやや甘口のカクテルです。ベースのウイスキーをカナディアンかバーボン、もしくはアメリカンライにするかによって味わいも変化します。
またベルモットをドライベルモットにするとドライマンハッタン、スウィートベルモットとドライベルモットを両方使うとパーフェクトマンハッタン。甘さを調整できるので、その日の気分でお好みに合わせて楽しんでみてください。
映画とカクテル
洋画ではお酒がその主人公のステータスを表わすなど小道具として上手く使われています。カクテルもいろいろな映画に名脇役として登場しています。
もっとも有名なシーンは、『アパートの鍵貸します』のマティーニでしょうか。マティーニに添えられているオリーブを使って時間の流れや主人公の気持ちをうまく表しています。
『007』のジェームス・ボンドはシャンパーニュやボルドーワインなど様々なお酒を愛飲していますが、一番有名なのはマティーニですね。しかもジンではなくウォッカをベースに、さらにステアではなくシェークする、いわゆるボンドマティーニ(原作とはレシピがちょっと違っていますが…)ですね。ボンドのお酒に対するこだわりがよく表現されています。
『酒とバラの日々』のアレキサンダーも、そのアルコール度数の割に飲みやすいので、お酒に縁のなかった女性がアルコール中毒へとなるきっかけとして描かれています。もとは1901年にイギリス・エドワード7世が王位についた際、王妃アレクサンドラに捧げられた縁起の良いカクテルですから、皆さまにはゆっくり楽しんでいただきたいですね。とても美味しく高貴な気分にさせてくれる一杯です。
カクテルが登場する映画として外せないのは、やはり『カクテル』でしょうか。全編カクテルだらけで、アメリカらしく気楽におしゃれにカクテルを楽しむ雰囲気が漂ってきます。これによってショーアップされたフレアカクテルも一般的になりました。
カクテルチャート
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