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Ginstruction manual

先日パリへ行った。ジンと言えばイギリスという点に異論を挟む人は多く無いと思うが、実はイギリスでジンが根付くにはフランスが大きな役割を果たしていたことをご存知だろうか。

イングランドでジンが流行したのは1689年にオランダのオレンジ公ウィリアムIII世がオランダ統領を兼ねたままイングランド国王となったのが一つのきっかけだった。オランダ統領が国王となったことでオランダで人気のジンはイングランドでも人気となった。実はそれだけではない。当時フランスではカトリックであったルイ14世が絶対王政を推し進めており、プロテスタントのウィリアム率いるオランダは敵対を強めていた。ウィリアムは対決姿勢を強めるためにイングランドでもフランスからのブランデーの輸入を禁止し、その後軍事費捻出のためにブランデーに高い関税をかけて輸入を再開した。さらなる軍事費捻出のために国内での蒸溜産業、特にジンの蒸溜活性化を目指した。

ジンの関税を大幅に軽減し、当時リヴァリカンパニーによって独占されていた蒸溜産業を解放することで誰もが蒸溜産業に加われるようにした。これにより非常に安い賃金しか得られなかった労働者たちもジンに気軽に手を出せるようになったことで、イングランドではジンがさらに消費されていくことになった。

ジンの馴染みのないフランスもその発展に寄与していたのだ。

この記事を書いた人

ろっき
ろっき
1991年東京都生まれ。ジン研究家、医師。千葉大学医学部卒業。大学在学中からジンに傾倒し、サークル「アセトアルデヒド症候群」を主宰。ジンを総説する書籍がない当時、2013年から同人誌「もっとジンをおいしく飲む本」シリーズを自費出版。日本初の「ジン本」として各地のバーテンダーなどプロからも高い評価を受けた。医師として勤務する傍ら、非定期的なジンテイスティングイベント開催やイベントへの出演などジンの普及に努めている。著書「All about Gin ジンのすべて」(旭屋出版)。
ろっき
ろっき
1991年東京都生まれ。ジン研究家、医師。千葉大学医学部卒業。大学在学中からジンに傾倒し、サークル「アセトアルデヒド症候群」を主宰。ジンを総説する書籍がない当時、2013年から同人誌「もっとジンをおいしく飲む本」シリーズを自費出版。日本初の「ジン本」として各地のバーテンダーなどプロからも高い評価を受けた。医師として勤務する傍ら、非定期的なジンテイスティングイベント開催やイベントへの出演などジンの普及に努めている。著書「All about Gin ジンのすべて」(旭屋出版)。