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ビールの炭酸

ビールは発酵中に炭酸ガスを発生しますが、その炭酸ガスは発酵容器の外に出してしまいます。発酵が終わったビールは炭酸ガスが発酵温度における飽和レベルでは溶け込んではいますが、それだけではかなりの微炭酸で炭酸飲料という感じではありません。ビールを炭酸飲料にするため、メーカーは他の炭酸飲料と同じく「冷やして、高圧で炭酸ガスを溶け込ませる」作業を行います。と言っても、これができるテクノロジーは数千年のビールの歴史から考えると、ごく最近です。

外部から炭酸ガスを加えて溶け込ませるという最初の発想は18世紀の英国人ジェセフ・プリストリーによるもので、当時冷却も高圧ガスもないので、単に炭酸ガスを発生させて水の中でブクブクさせるだけでしたが、それでも彼は炭酸水製造法発明者として歴史にその名を残します。それを商売にしたのは機械で量産したドイツ人ヨハン・ヤコブ・シュヴェッペで、1783年に「シュウェップス」を設立します。さらに、冷却するには19世紀カール・フォン・リンデの冷凍庫を待たなくてはなりません。というわけで、今のように炭酸ガスボンベでビールを炭酸飲料にするようになったのはごく最近です。

それ以前はどうやっていたかというと、最終的な容器(たるや瓶)に入れた後も発酵させ、閉じた空間で炭酸ガスを発生させ、高圧な環境を作って炭酸ガスを溶け込ませていました(今でもそうする場合もあります)。

溶け込ませる炭酸ガスはビールのスタイルによって異なります。ドイツの小麦ビール、ヴァイツエンは高炭酸で、一方、英国の伝統的なエールは一般的にかなり低炭酸です。

また、たるに入ったビールを出すには押し出すガス圧やホースの長さ、内径、材質など炭酸の強さを考慮した設定が必要で、結構面倒です。

この記事を書いた人

藤浦 一理
藤浦 一理http://snarkliquidworks.com/
合同会社スナーク リキッドワークス代表。クラフトビール醸造所開設に向けて準備中。ビール関連の執筆やビールコンペティションの審査員を勤める。2004年、ビール飲み手の非営利全国団体「グッドビアクラブ」の会を発足。会長を約7年勤める。Watering Hole にて、ビールに関する講習会「Saturday Evening Beer Live」を開催中。ビールの専門分野はアメリカで、ビールを飲むだけが目的で行った州が38州+DCで39。
藤浦 一理
藤浦 一理http://snarkliquidworks.com/
合同会社スナーク リキッドワークス代表。クラフトビール醸造所開設に向けて準備中。ビール関連の執筆やビールコンペティションの審査員を勤める。2004年、ビール飲み手の非営利全国団体「グッドビアクラブ」の会を発足。会長を約7年勤める。Watering Hole にて、ビールに関する講習会「Saturday Evening Beer Live」を開催中。ビールの専門分野はアメリカで、ビールを飲むだけが目的で行った州が38州+DCで39。