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雨ニモマケズ、風ニモマケズ

素敵な新しい傘を買うと雨の日が待ち遠しくなる、とどこかで読んだことがある。この意味が改めて分かったような気がする。最新式? の掃除機をホテルで購入した時の事である。もともと汚れている物をきれいにするという作業が嫌いではない僕は、この最新式を手に入れてから更に掃除機をかけるという作業がコンピューターの前に座っているよりもはるかに楽しくなった。そこそこのカーペットがみるみるきれいになっていくのである。これはダイエットをしている人が日々の努力を手にとる様な感覚に似ているかもしれない。新しいランニングシューズを買えば「よし、今日は時間もあるしチョッチ遠出してみるか!」にも似ている。

ウィスキーもしかり、話題を呼んでいる新作や友人から「え!まだ飲んでへんの?」と勧められて購入したウィスキーが手元に届いた時は、その日の夕飯の献立を家内に注文してパレットをニュートラルに整えたりする。こんなワクワクという感じのモノを僕は日常の楽しみにしている。それではハイランダーインのオリジナルボトルが到着した時などはどうだろう。サンプルを樽から取り出してテイスティングを行いボトリングまで、時には半年以上が経過する時がある。勿論、最終的な商品になるまでに多少の変化があり得る。その変化も考慮して僕は樽選びをしている。贅沢を言うならばボトリングをしてから1年ぐらいこなれさせてから販売出来ればベストなのだが、こちらの経済状況がそれを許してくれない。

さて、新しい掃除機やランニングシューズを購入したぐらいでこんな原稿が書けてしまう僕がオリジナルボトリングを手にした瞬間を想像してほしい。テイスティングは勿論の事、ウィスキーに全く興味のない家族に対して「どう? 今回のデザイン? それとこの紙質?」と興奮しながら話す僕の姿が想像出来るのではないでしょうか。手前味噌になりますが、次のアニュアル・シングルカスク・ボトリングはご期待ください。好きやな、ぼくは……今回は全くと言っていいほど「雨ニモマケズ、風ニモマケズ」でしたネ。

この記事を書いた人

皆川達也
皆川達也
18歳より京都でバーテンダーの仕事を始める。1998年にスコットランドへ渡り、エジンバラで4年、その後スペイサイドのCraigellachieHotel のバーマネージャーに。2005年にダイレクター兼ウィスキーマネジャーとしてHighlander Inn の立ち上げに参加。その後、サントリーの欧州ブランドアンバサダーを経て2015年にハイランダーインのオーナーに。バーでウィスキーの魅力について語る日々を送っている。
皆川達也
皆川達也
18歳より京都でバーテンダーの仕事を始める。1998年にスコットランドへ渡り、エジンバラで4年、その後スペイサイドのCraigellachieHotel のバーマネージャーに。2005年にダイレクター兼ウィスキーマネジャーとしてHighlander Inn の立ち上げに参加。その後、サントリーの欧州ブランドアンバサダーを経て2015年にハイランダーインのオーナーに。バーでウィスキーの魅力について語る日々を送っている。