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自社アトリエ内でのカカオの発酵実験記録

品質の良いチョコレートを作るには品質の良いカカオ豆が必要不可欠ですが、品質の良いカカオ豆とはどのようなものなのでしょう。とある資料によれば、評価の高いカカオ豆をすり潰して香気成分の測定をすると、他のものに比べてリナロールが多く含まれている傾向があるとのことでした。リナロールはワインや日本酒の華やかな香りに関与する成分でもあります。

先日、台湾産のカカオ果実を入手することができたので少量ながら発酵実験をし、その際にリナロールが多く含まれている柑橘類(今回は甘夏)を一緒に発酵させることで結果的にリナロールの多く含まれるカカオ豆が出来るのか試してみました。

カカオの果肉

カカオの実を割ると、中には白くて甘い果肉に包まれた種子(カカオ豆)が30粒ほど入っています。これを甘夏と一緒にヨーグルトメーカーの容器に詰め、37℃に設定して放置します。最初は果肉の糖分がアルコールに変わる発酵で、これは嫌気性の微生物が働くので空気がなるべく触れないようラップを密着させておきます。

発酵実験開始
アルコール発酵が進む様子

2日ほど経つと果肉の部分からプクプクと気泡が生じ始め、容器の底にはアルコール系の液体が溜まっていきました。このアルコールを餌にして次は酢酸発酵を行います。今度は好気性の微生物が酸を発生させるため、中身をたまにかき混ぜ空気を取り込みやすくします。 ここから温度が上がり、果肉部がメイラード反応によって褐色化する予定だったのですが、少量での実験だったため熱が逃げ、反応がなかなか進みませんでした。本来であれば7日間の実験で発酵の工程はほぼ完了する予定でしたが、私の都合でやむなく褐色化が浅いまま乾燥の工程に移ることに。乾燥中もゆるやかに発酵は進み、徐々に収束していくはずなので最終的にどのようなものが出来たか、また報告したいと思います。

この記事を書いた人

須藤 銀雅
須藤 銀雅https://atelier-airgead.amebaownd.com/
洋菓子専門学校を卒業後、国内の洋菓子店、フレンチレストラン、ショコラトリー等で修行。2016年に「アトリエAirgead」を開業。食材や飲料の香気成分を研究し、アルコールとのマリアージュに特化した“BAR 専用チョコレート”という独自のジャンルを一般販売せずに国内のオーセンティックバーにのみ販売している。2018 年から自家焙煎カカオを使用した一般販売用ブランド「ロマンスチョコレート」も手がける。
須藤 銀雅
須藤 銀雅https://atelier-airgead.amebaownd.com/
洋菓子専門学校を卒業後、国内の洋菓子店、フレンチレストラン、ショコラトリー等で修行。2016年に「アトリエAirgead」を開業。食材や飲料の香気成分を研究し、アルコールとのマリアージュに特化した“BAR 専用チョコレート”という独自のジャンルを一般販売せずに国内のオーセンティックバーにのみ販売している。2018 年から自家焙煎カカオを使用した一般販売用ブランド「ロマンスチョコレート」も手がける。