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コニャック:伝統と革新の間

「コニャックは伝統を守り続ける」

コニャックを飲み始めた当初、そのような考えが私の根底にありました。しかし生産者の方々の話を伺い、コニャックの動向を観察するようになって、そこにはまさに伝統と革新が存在することに気付かされます。

コニャックはAOCによって製法が定められた伝統的なブランデーです。AOCは厳格な基準でもありますが、同時に時代の変化に合わせて柔軟に対応する姿勢も持ち合わせいます。例えばここ4、5年の間にもコニャックXOの基準が市場に合わせて最低6年熟成から最低10年熟成に引き上げられたり、新たなターゲット層を意識したXXO(最低熟成14年)という基準が設けられたり、バーボン樽やミズナラ樽でのフィニッシュが公式に認められたりと様々な変化が起こりました。これらの変化には大手のみならず小・中規模の生産者の声も存在していました。もちろんこの変化には賛否両論あり、「伝統を守るべきだ」「変化していくべきだ」という両者が存在します。この挑戦はAOCという基準の中にあるからこそ生まれる創造性であり変化でもあります。

今年蒸留されたコニャックが熟成を経て最高の状態になるのは恐らく私の子供、いや孫の世代かもしれません。現在とその時ではコニャックの基準も変化を伴うことでしょう。いつの時代も伝統と革新という相反する考えは多くの葛藤を生み出し、そこに活路を見出します。今行われている挑戦が10年20年、あるいは50年後にどのような姿になっているのかはまだ分かりませんが、少なくともその時に「あの時は良かった」と懐古的になるのではなく「そうか、こんな姿に成長したのだな」と楽しめるような心持でいたいと思う今日この頃です。そういった変化も「伝統」ならではの楽しみの一つではないでしょうか。

この記事を書いた人

アツロー
アツローhttps://brandydaddy.com/
福岡県出身。20歳の頃よりカクテルに興味を持ち、バー巡りにハマる。その後様々なバーとカクテルイベントを共催するうちにブランデーの魅力の虜になる。web エンジニアとしての仕事の傍ら、自身のブログ「Brandy Daddy」にてweb を介してブランデーの魅力を発信できるよう日々奮闘中。妻と子供とブランデーを愛するおとーさんである。
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福岡県出身。20歳の頃よりカクテルに興味を持ち、バー巡りにハマる。その後様々なバーとカクテルイベントを共催するうちにブランデーの魅力の虜になる。web エンジニアとしての仕事の傍ら、自身のブログ「Brandy Daddy」にてweb を介してブランデーの魅力を発信できるよう日々奮闘中。妻と子供とブランデーを愛するおとーさんである。