ブランデーの代表格といえばフランスで造られるコニャック。コニャックは何を原料とする蒸留酒かというと白ブドウです。ある特定の品種のブドウを白ワインにした後、蒸留され、最終的にコニャックとなります。
コニャックの原料となるブドウはどんな品種?
コニャックの原料として認められているブドウはいくつか種類があるのですが、そのうち95%が「ユニブラン(Ugni Blanc)」という品種です。イタリア語では「トレッビアーノ(Trebbiano)」とも呼ばれています。ユニブランは1890年以降に植えられたブドウ品種であり、カビや疫病に強い耐性を持つのが特徴です。
その他に使用されるのは「コロンバール(Colombard)」「フォルブランシュ(Folle Blanche)」といったブドウ品種です。
コニャックのブドウは酸度が高く酸っぱい
ユニブランをはじめ、コニャックに用いられるブドウはとても酸度が高く、糖度が低いというのが最たる特徴です。
実際にユニブランを食べてみるとかなり酸味が強く、我々が普段口にする甘い食用のブドウとは大きく異なることが分かります。また、そのまま白ワインにしたものを飲んでみると、まるでお酢が入っているかのように酸っぱいのです。
しかし、この「酸度が高く糖度が低い」というのがコニャック造りにおいては大変重要な要素になります。この酸味がより豊かな香味成分となり、また原料となるブドウの酸度が高いことで白ワインのアルコールが高くなりすぎるのを防ぎます。それにより最終的に蒸留後のアルコール度数72%程のコニャックの元となる蒸留液(オードヴィー)を造る際に、原料となるブドウのより豊かなアロマを蒸留液に凝縮させることができるのです。
コニャックの条件としては、この蒸留前のベースとなる白ワインのアルコール度数を7%~12%の間で造るように規定されています(実態としては、およそ8.5%~10%の間で造られることが多い)。
そして最終的に、この白ワインを蒸留して造られる蒸留液のアルコール度数が72%程になります。
もちろん単純に白ワインのアルコール度数が低ければよいという訳ではないのですが、極端な例えでいうと、アルコール度数9%の白ワインから72%の蒸留液を得ると8回分の白ワインが凝縮されることになりますが、12%ですと6回分の成分しか凝縮されないことになります。
そのため、ブドウの酸度が高く、発酵時の白ワインのアルコール度数が高くなりすぎないことが重要なのです。
コニャックが蒸留される前の白ワインを飲む機会はなかなかありませんが、蒸留時期に現地に行かれた際は是非飲ませてもらってみて下さい。