最近、オフィシャルのスタンダードクラスが面白いと感じています。単純にモノが良いのか、あるいはこれまでの経験から、自分が良さを認識出来るようになったのか。釣りは鮒に始まり鮒に終わるという言葉があるように、愛好家には原点回帰する時期が来るのかもしれません。
そんな時、本誌寄稿のお誘いを頂きました。この機会に各銘柄のスタンダードクラスを中心に振り返り、良いと感じる要素やハウススタイルの変化を紹介していきます。
タイトルには“再度”の意味で“Re”という表現を使っていますが、これから飲み始める方々にも参考になれば幸いです。
さて、1本目はアバフェルディ12年です。デュワーズのキーモルトであり、元々美味しい銘柄でしたが、数年前にラベルチェンジしてからホワイトオーク由来の華やかさがわかりやすくなりました。バーボン樽の使用比率が上がったのかもしれません。逆に口当たりは多少粗削りですが、樽由来の香味に麦芽由来の甘みがあり、上位グレードとなる21年等との共通項もポイント。ハイボールにすると爽やかに楽しめるため、これからの季節は特に使いやすい銘柄です。
また再認識という意味では、近年大きな変化があったロッホローモンド蒸留所も外せません。
リトルミルの第二蒸留所であり、濡れたダンボールと植物感、好みが別れるブランドでしたが、数年前にラインナップをリニューアルしてから従来の個性を抑え、柑橘やパイナップルシロップのようなケミカルなフルーティーさを備えているのです。
同蒸留所は原酒の作り分けでロッホローモンドやインチマリンなど複数の銘柄をリリースしていますが、お薦めは12年クラスのもの。飲み比べをするのも面白いですね。
(Vol.2へ続く)