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魅惑のブランデー~蒸溜のこだわり・細やかなカット(その2 )~

コニャックの蒸溜時のカット方法は、大きく分類するとレミーマルタン・タイプとマーテル・タイプの2タイプがあります。今回はその違いについて考えてみます。

レミーマルタン・タイプは、細かなカットと、ワインにオリを残したまま蒸溜することがポイントです。コニャックはガス直火加熱のため、オリがコゲつかないように手間と時間がかかります。ただこのオリによって、豊かな香り・厚みのあるふくよかな味わいの溜液が得られます。レミーマルタンではグランドシャンパーニュとプティトシャンパーニュの高品質なブドウを使用しているため、そのポテンシャルを引き出すように、よりしっかりとした酒質の溜液が得られるカット方法になっています。グランドシャンパーニュの小さな造り手の多くもこの方法を用いています。

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これに対して、マーテル・タイプはオリをフィルターで除去し、さらにカットもテットを多めにとり、スゴンドをブルイではなくワインに戻すことよってクリアな酒質の溜液となります。マーテルのスチルにはショーフヴァンがありませんが、これもワインやブルイを温めると熱化学変化が生じ、芳香も強くなる傾向にあるため、よりすっきりとした溜液を得るためと考えられます。

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この2つのほかにヘネシー・タイプもありますが、基本的なカットはレミーマルタン・タイプとほぼ同じで、オリの量を少なくするなどして、レミーマルタン・タイプより軽やかな酒質の溜液が得られるようにしています。  今回の図はあくまで基本形です。原料がブドウであるため、毎年そのポテンシャルが異なります。蒸溜のカットの方法・条件なども、年や畑などによって変えられています。コニャック特有の人を魅了してやまない優雅な香味は、このキメ細かい蒸溜によってもたらされているのです。

この記事を書いた人

谷嶋 元宏
谷嶋 元宏https://shuiku.jp/
1966年京都府生まれ。早稲田大学理工学部在学中よりカクテルや日本酒、モルトウイスキーに興味を持ち、バーや酒屋、蒸留所などを巡る。化粧品メーカー研究員、高校教員を経て、東京・神楽坂にバー「Fingal」を開店。2016年、日本の洋酒文化・バーライフの普及・啓蒙を推進する「酒育の会」を設立、現在に至る。JSA日本ソムリエ協会認定ソムリエ。
谷嶋 元宏
谷嶋 元宏https://shuiku.jp/
1966年京都府生まれ。早稲田大学理工学部在学中よりカクテルや日本酒、モルトウイスキーに興味を持ち、バーや酒屋、蒸留所などを巡る。化粧品メーカー研究員、高校教員を経て、東京・神楽坂にバー「Fingal」を開店。2016年、日本の洋酒文化・バーライフの普及・啓蒙を推進する「酒育の会」を設立、現在に至る。JSA日本ソムリエ協会認定ソムリエ。