こちらスコットランドと日本の時差は、冬ならば9時間になる。
そして閑散期といえどもチラホラと海外からの人も少なくない。それがドイツやオランダからの人なら、さほど時差もなくバーが終わる時間までピンピンしている。さらに北米から来た人になると、バーが終わる時間でもまだ飲み足りないといった感じだ。
これにはお酒の弱い強いも関係するのだが、大きくは時差が左右すると僕は思っている。
それでは日本から来た方々はどうだろうか。
バーが食事で一番にぎわうのが夜7時頃。僕も社長やバーテンダーの殻を脱ぎ捨てウェイターと化し、バーと厨房を往復する。
この時間帯は日によってはまさしく戦場の様である。食事が落ち着きやっとバーの時間を取り戻す、僕の一番好きな時間で『さぁ~、それではお客さんとゆっくり歓談でも』と思うのもちょうどこの時である。
それと同じ頃、日本から来た多くの人が
「バーは何時までですか?一度部屋で休んでからまた来ます」
と言って部屋に戻っていく。
そしてその人達をその夜見る事はない、横になったら最後、朝までぐっすりである。
次の日少し話をすると『昨日はすいません、もう眠くて、眠くて……』との答えが返ってくる。これはしょうがない。食事を食べ終わった夜9時、その頃日本では朝6時なのだ。中には夜の10時ぐらいまで頑張る人もいるが、目を見れば“とろ~”と催眠術にかかった様になっている。
勿論バーテンダーの人達はそれなりに元気である。それはウィスキーに対する執着か、ただの生活スタイルの一致なのか。
そこで今回はハイランダーインのバーをマックスで楽しむ方法を伝授しよう。
まずは夕方に軽い仮眠をとる事である。ここで大事なのは起きたい時間に目覚ましをかけておく事。もし、これを忘れると夕方4時ぐらいからそのままバーがとっくに閉まっている時間まで寝てしまい、起床と共に頭はスッキリしたものの、その後静けさの中で眠りに戻れない夜を我慢強く朝食まで待つ羽目になってしまうからだ。
もう一つの方法は眠くなる前にお酒に酔って感覚をマヒさせるという方法。ただこちらはお酒の弱い人には、逆に睡眠薬として作用してしまうのでお勧めできませんですネ。