コニャック生産地域であるシャラント・マリティーム県にあるBrie Sous Archiac(ブリ・スー・アルシアック)という町に行ってきました。
目的はプライベートラベルを沢山造るVinet-Delpech(ヴィネ=デルペッシュ)蒸溜所。
ホームページ
https://www.vinet-delpech.com/
13基の蒸留器を所有していて、様々な会社から依頼を受けてコニャックはもちろん、ジンやウォッカ、ラム、ウイスキー、その他スピリッツの蒸留・熟成・瓶詰めを行う会社です。
蒸留所に到着すると、現当主Jean Baptiste(ジャン・バティスト)氏が迎えてくれ、案内してくれました。
いろいろなブランドのお酒を生産しているこの会社は家族経営で、現当主は4代目です。
今まで人のために使ってきた技術を、今度は自分たちのブランドとして提供したい
このVinet-Delpech蒸溜所が自社ブランドLes Brûleries Modernes(レ・ブリュレリー・モデルヌ)を2019年に立ち上げました。
ホームページ
https://lesbruleriesmodernes.com/
1934年からVinet-Delpechとして、依頼されたプライベートラベルの蒸留・熟成を行っており、有名製品の蒸留も行っているので、知識や技術はお墨付き。
今までは依頼者の意向をくんだ蒸留酒造りを行ってきましたが、それらの知識、技術を自分たちのために使い、自分たちの求める蒸留酒を消費者に提供したいという思いがあり、自社ブランドを起ち上げました。
毎年新たな製品リリース
代々引き継がれてきたコニャックやピノー・デ・シャラントはDelpech Fougerat(デルペッシュ・フォージェラ)の名で販売しています。
2019年末に新たに販売を始めたのはジンで、その名もHold Up(ホールドアップ)。
ホームページ
https://www.holdupgin.com/#alcool
このジンはボタニカルにトンカ豆やアニス、コリアンダーを使っていて、特徴的でユニークなジンを創り出しています。
2020年末に自社のコニャック樽でフィニッシュを行ったウイスキー、Excellency Club(エクセレンシー・クラブ)の販売開始。ロンドンのクラブをイメージしたラベルが印象的です。
今年2021年には、ピノー・デ・シャラントのラベルをモダンに変更予定。
ブランド名がLes Brûleries Modernes、つまり「モダンな蒸留所」なので、昔ながらの伝統的なラベルをジンやウイスキーの様にモダンなものに変更するとのこと。
そして、来年2022年には、2019年夏に自社で蒸留を行い3年の熟成を経たウイスキーの販売を予定しています。
さらに2023年にも新たな製品のリリースがあるかもしれないとのことでした。
その先は……企業秘密。
他にもビンテージアルマニャックやブランデーも生産しています。
毎年何か変化を起こしている、これほどアクティブな会社は他にはないのではないでしょうか。
プティット・シャンパーニュ、ファン・ボワ内の5つのコミューンに100ヘクタールの自社畑も所有しています。
そこで収穫されたブドウの醸造、蒸留、熟成をもちろん自社で行っています。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、コニャックは蒸留期間が決まっています。収穫翌年の3月31日までに「コニャック」のための蒸留を終えなければ、ブランデーとしてしか販売できないと法律で決められています。
そのため、決められた蒸留期間以外は「コニャック」の蒸留ができず、蒸留器は動いていません。
そこで、コニャックの蒸留に使わない期間中に、その他アルコールの蒸留を行っているのです。
この古くから続く新しいブランド、まだ日本に入ってきていません。 日本に輸出したいそうなので、「皆様のご連絡をお待ちしています」とのことでした。