東北の震災以来、被災地の長期的な復興と新たな未来を創る一助として、陸前高田市を中心に地元の方々の英語学習の場を設ける非営利事業を続けている。その活動も8年になり、最近は震災被災地の環境にも様々な変化が感じられる。個別の状況は実に多様だが、全体としては外形的なインフラの再構成は目に見える形で進んでいる。
そうした中、いわゆるナイトライフの場も少しずつ選択肢が増え始めた。そこで、英語学習の場作りの派生形として、Wine & Whisky English Clubなるものを始めた。お酒のテイスティング表現などを中心に、英語でバーライフを楽しむための基礎的な英語を学ぶ場だ。その都度サンプルボトルをご提供し、実践的に英語を学んでいただく趣向。
去る10月の会は、ウィスキーをとりあげる初回となり、銘柄としてはボウモアを選択した。現行品、一つ前のバージョン、そして小生の「1968コレクション」からダンカンテイラーの1968年蒸留のボトル。他にも比較対象は用意したが、この3本が教材。結果は、「ウィスキーはちょっと……」という方も含めて、大好評。
大好評過ぎて、学んだ英語を忘れてしまった方々もいらっしゃる可能性大。まあそれも良し。モルトに興味を持っていただければ、今後の酒類英語学習のモチベーションも高まることだろう。津波で人一倍ひどい目にあった地域。復興進みゆく中、お酒の世界では人一倍素敵な経験が生まれますようにと、密かに願う。