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雨ニモマケズ、風ニモマケズ

英国のテレビで面白い番組を見た。スーパーマーケットで売っている格安パスタと有名ブランドのパスタを、ブラインドで食べ比べをしてどれが一番美味しいかというものだった。 スーパーマーケット格安ブランドが500グラム20ペンス(30円)に対し、有名ブランドは1.70ポンド(255円)と8倍以上の価格差だ。もちろん、ちゃんとしたシェフが料理した事を付け加えておこう。食べ比べの最中にうんちくを言う人もいたが、結果は必ずしも有名ブランドのパスタが皆の1位ではなかった。要は個人の好み? なのかもしれない。

話は飛んで僕はシャワーの後、顔にベビーローションを塗っている。顔がカピカピになるのを防ぐためである。いつも使っているのは、1本100円ほどの大手スーパーマーケットの物だ。しかし前回妻が買ってきたのはJohnson & Johnson。ピンクのボトルは同じだがこちらは有名大手ブランド、価格は200円ぐらいだろう。使い心地はというと僕の肌が庶民派のせいなのか? 1本100円の方が肌にしっとりと馴染んだ。 

さて、そろそろウィスキーの話を。僕はグレンフィディック12年をスペイサイド銘酒と呼んでいる。繊細な香りと複雑といっても過言でない味わい、これに勝る12年を僕は知らない。最近のウィスキーの価格には目玉が飛び出てしまう。それでは目から鱗が落ちるほど美味しいのか? と言うとそうでもない。味覚と好みは人それぞれなので「これは絶対に美味しい」と言えるものはない。まして100ポンドを出せば美味しいボトルが買えるという時代ではない。先のパスタやベビーローションではないが、価格に左右されずに自分に合ったものが結局その人の1番なのではないだろうか。

この記事を書いた人

皆川達也
皆川達也
18歳より京都でバーテンダーの仕事を始める。1998年にスコットランドへ渡り、エジンバラで4年、その後スペイサイドのCraigellachieHotel のバーマネージャーに。2005年にダイレクター兼ウィスキーマネジャーとしてHighlander Inn の立ち上げに参加。その後、サントリーの欧州ブランドアンバサダーを経て2015年にハイランダーインのオーナーに。バーでウィスキーの魅力について語る日々を送っている。
皆川達也
皆川達也
18歳より京都でバーテンダーの仕事を始める。1998年にスコットランドへ渡り、エジンバラで4年、その後スペイサイドのCraigellachieHotel のバーマネージャーに。2005年にダイレクター兼ウィスキーマネジャーとしてHighlander Inn の立ち上げに参加。その後、サントリーの欧州ブランドアンバサダーを経て2015年にハイランダーインのオーナーに。バーでウィスキーの魅力について語る日々を送っている。