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歴史はグラスに注がれる No21:Fixed glass

History in a glass No21

グラスを大切に扱っていても、ちょっとした不注意からグラスを割ってしまったり、チップ(欠け)させてしまう事がある。普段使いのグラスであれば諦めも付くが、高価な物であったり、思い入れがあるグラスとなると、とても悲しい出来事となる。

チップしたグラスは修復できる

割ってしまったグラスは、仕方ないとして、小さなチップであれば修復する事が出来る。

チップした場所を目の細かい紙やすりで擦り、傷を消していく方法がある。ただ、慣れない人がこのやり方でグラスを直そうとすると、かえって淵の部分を傷つけたり、割れたりする。均一に削れなければ、グラス淵は斜めになってしまうので、細心の注意が必要となる。

金継ぎという方法もあり、欠けた部分を金で埋めるのだが、こちらは継ぐ技術がないとできないので難しい。透明なガラスに金の筋が入るので、芸術的に見える場合もあるが、とても目立ってしまうため、あまり金継ぎをしているグラスを見かける事はない。

高さを低くしグラスを蘇らせる

やはり、修復を請け負うグラスショップに依頼するのが無難であろう。浅草にあるグラスファクトリー「創吉」では修理を受け付けている。

チップされた部分を全体的に削り下げ、高さを低くすることでグラスを蘇らせてもらえる。

写真のカクテルグラスはアンティークグラスで、グラス淵が大きく欠けてしまっていた。本来ならば、グラス淵から約5センチ背が高く、グラスエッジは金色にコーティングされていた。そのコーティング部分をそっくりそのまま削り出すことで、背の低いグラスとして生まれ変わる事が出来た。全体のバランスこそ悪くなったが、愛着のあるグラスとして、今もなお使い続けている。

もう一つのショットグラスはバカラ社のグラスで、かなり深く削られ、下部のクリスタルがとても綺麗に映える。このグラスは削られていた物を購入したため、原形は分からない。おそらくは、タンブラーか何かであったのだろう。

こうして修復したグラスは、世界で一つだけの物となる。直したことによって、再度使用することができる。グラスとしてではなくキャンドルホルダーや小さなお皿としても使えるので、欠けたグラスがあれば、直してみて頂きたい。

この記事を書いた人

鈴木 裕介
鈴木 裕介https://blogs.yahoo.co.jp/bar_salvador2005
1975年宮城県生まれ。都内ワインバー、ウイスキーバー店長を経て2005年より東京・ 高田馬場「Bar salvador」オーナーバーテンダー。ウイスキーに興味を持ち、各地の蒸留所を巡るかたわら、骨董店にてヨーロッパアンティークグラスを集める。HOYAクリスタ ルの蒐集家でもある。
鈴木 裕介
鈴木 裕介https://blogs.yahoo.co.jp/bar_salvador2005
1975年宮城県生まれ。都内ワインバー、ウイスキーバー店長を経て2005年より東京・ 高田馬場「Bar salvador」オーナーバーテンダー。ウイスキーに興味を持ち、各地の蒸留所を巡るかたわら、骨董店にてヨーロッパアンティークグラスを集める。HOYAクリスタ ルの蒐集家でもある。