毎年10月にフランス・アブサンの聖地であるポンタルリエの街で『Absinthiades(アブサンティアード)』というイベントが開催される。Absinthe生産者、absintheに関係する酒類従事者、absintheをこよなく愛するものが世界中から集結するのだ。私もいてもたってもいられず、昨年(2017年)参加をしてきた。
このイベントの趣旨は、各蒸留所が自慢のabsintheを出品し、それに審査員が得点をつけ、その年のゴールドメダル、シルバー、ブロンズなどの賞を決める品評会だ。それと同時にabsintheの歴史にまつわる展示品、アンティークのabsintheグッズの販売などが行われ、このポンタルリエの街はabsinthe lover たちの熱気で渦巻き、一つの町興しとなっている。
来場者はフランス以外にも近隣諸国のスイス、ドイツ、イタリア、チェコからが多く、遠くからはアメリカ、オーストラリア、南アフリカ、我々日本人と国際色豊かだ。
さらに追い風として、ここポンタルリエ付近には近年absinthe生産者が着実に増えているのだ。代々ポンタルリエに住んでいるフランス人の家系は、誰かしらが19世紀にabsintheに従事していたという形跡を辿る事ができる。現代のポンタルリエに先祖返りという現象が起きているのだ。
ここポンタルリエではabsinthe禁制中も脈々と個人蒸留がされていた。今でも70歳以上の老人でabsintheを個人蒸留している方々が存在する。
伝統は紡がれてゆく。