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チーズとお酒のマリアージュ

チーズに合う飲み物はなんですか? と聞かれたら、当たり前のようにワインと答えます。チーズとワインのことはわからなくても、相性が良いということはわかりますよね。チーズの味わいを理解してくると、赤ワインより白ワインのほうがよっぽど口の中にハーモニーが広がるはずです。

フロマジュ(フランス語でチーズ)とワインのペアリングは、無限の世界です。日本酒やビール、ブランデーなどと同じく、楽しい組み合わせがたくさんあります。マリアージュの世界に入ると楽しすぎてやめられず、アディクトに……。危険な冒険をしたい人は、僕と同じペアリングのアディクトになりませんか?

最初、マリアージュは少しややこしく感じられると思いますが、ご説明しますのでどうぞご心配なく!

たとえば、ウィスキー(アランの10年)とウォッシュタイプ(キュレ ナンテ)のチーズ。ウォッシュチーズって、チーズを洗うということ? おかしいと思いませんか? 「なぜウォッシュするのですか?」とよく聞かれますが、昔は今と違ってチーズを保存するのに冷やす方法がありませんでした。チーズをつくると、好ましくないカビが発生します。ところが、カビを取り除くのに塩水やそれに酒を入れたものでウォッシュすれば良いと気づいたのです。塩水で洗うチーズが多いですが、ビールまたはマール(エポワスチーズ)で洗うこともあります。

ウォッシュタイプの中で、フランスのナント町の近くでつくられる香りがしっかりした珍しい「キュレ ナンテ」は、ウィスキーに合わせるととても面白いチーズです。少しピート風味のあるウィスキーか、若干甘めのものがお勧めです。リッチなバニラと洋梨のような香りがあるアラン10年は、チーズのミルクの味わいと馴染みます。アランの甘いオークの味と、チーズの塩味や香ばしさの余韻が共に広がります。

ここで、大事なポイント! まずチーズを口の中に入れて、噛んでチーズのアロマが出たら、ウィスキーを飲んでください。それからが、ペアリングになります。ストレートが良いと思いますが、ハイボールでも良いかもしれません!

この記事を書いた人

DEGOULET Fabien
DEGOULET Fabien
1984年、フランスのル・マン出身。キャベツの中ではなく、カマンベールの箱から生まれたらしい。実家はマルシェでチーズ店を営んでいた。日本語と経済の専門学校を卒業後、2008年に来日。(株)フェルミエに入社し、店長などの経験を経て、現在は商品開発部に在籍している。2015年6月、Mondial du Fromageコンクール優勝。世界最優秀フロマジェに選ばれた。故郷ロワールのチーズとワインをこよなく愛し、世界の食材、ワイン、日本酒、ブランディとチーズのペアリングの素晴らしさを発信している。
DEGOULET Fabien
DEGOULET Fabien
1984年、フランスのル・マン出身。キャベツの中ではなく、カマンベールの箱から生まれたらしい。実家はマルシェでチーズ店を営んでいた。日本語と経済の専門学校を卒業後、2008年に来日。(株)フェルミエに入社し、店長などの経験を経て、現在は商品開発部に在籍している。2015年6月、Mondial du Fromageコンクール優勝。世界最優秀フロマジェに選ばれた。故郷ロワールのチーズとワインをこよなく愛し、世界の食材、ワイン、日本酒、ブランディとチーズのペアリングの素晴らしさを発信している。