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魅惑のブランデー~選ばれしリンゴ~

フランスの北西部ノルマンディー地方は、ブドウ栽培の北限より北に位置するため、質の良いワインは造ることができません。そのため、この地では古よりリンゴからお酒を造るようになりました。シードルやアップルブランデーなどがそれです。

アップルブランデーの中で、特に厳しい条件をクリアしたものがカルバドスです。カルバドスはその深遠なアロマによって飲み手を魅了します。そのアロマをもたらすのは、この地ならではの選ばれしリンゴです。

そもそもノルマンディーには800種類以上ともいわれるリンゴがありますが、その中から48種類のみがカルバドスに使われます。リンゴの収穫は、まず木を揺すって実を地面に落とし、それを手もしくは機械で拾い集めます。その後、風通しの良い場所で数週間程度、追熟させます。これらのリンゴは果汁の酸とタンニンの量で、「苦味種」「甘苦味種」「甘味種」「酸味種」の4種類に分けられます。リンゴ果汁の甘味はその後のお酒のアルコールを、酸味は香味の鮮烈さを、苦味はボディー感をもたらします。カルバドスの中で最も規格が厳しく上等な産地であるACペイ・ドージュでは、使用されるリンゴの割合は「苦味種」「甘苦味種」が70%以上、「酸味種」は15%以下と決められています。

ちなみにカルバドスでは、リンゴのほかに数種類の洋ナシの使用も許可されており、エリアによってその割合も決められています。洋ナシはリンゴと比べて、穏やか・軽やかで甘味が強く、独特の芳香を持っています。

カルバドスは、この選び抜かれたリンゴと洋ナシのブレンドによって、この上ない香味を有し、フランスが世界に誇るブランデーのひとつとなっています。

この記事を書いた人

谷嶋 元宏
谷嶋 元宏https://shuiku.jp/
1966年京都府生まれ。早稲田大学理工学部在学中よりカクテルや日本酒、モルトウイスキーに興味を持ち、バーや酒屋、蒸留所などを巡る。化粧品メーカー研究員、高校教員を経て、東京・神楽坂にバー「Fingal」を開店。2016年、日本の洋酒文化・バーライフの普及・啓蒙を推進する「酒育の会」を設立、現在に至る。JSA日本ソムリエ協会認定ソムリエ。
谷嶋 元宏
谷嶋 元宏https://shuiku.jp/
1966年京都府生まれ。早稲田大学理工学部在学中よりカクテルや日本酒、モルトウイスキーに興味を持ち、バーや酒屋、蒸留所などを巡る。化粧品メーカー研究員、高校教員を経て、東京・神楽坂にバー「Fingal」を開店。2016年、日本の洋酒文化・バーライフの普及・啓蒙を推進する「酒育の会」を設立、現在に至る。JSA日本ソムリエ協会認定ソムリエ。