ビールにはラベルや缶に賞味期限が印刷されています。
でも、他のお酒ではあまり見なくないですか?
たとえば、長い年月を経たビンテージワインに賞味期限を書くのは変ですよね。高アルコールの蒸留酒も古いビンテージのものが販売されています。
ということは賞味期限があるのはビールだけ?
そのとおりです!
日本では、食品表示法上、アルコール飲料の賞味期限の表示は「省略可」となっています。
省略可なのに、なぜビールだけ賞味期限が書いてあるのでしょうか?
それは、「ビールの表示に関する公正競争規約」というのを「ビール酒造組合」が定めていて、それを公正取引委員会が認定し、表示しなくてはならないことになっているからです。
世界的には、国際連合食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)による「包装食品の表示に関するコーデックス一般規格」があり、賞味期限表示の例外として、ワイン、リキュールワイン、発泡ワイン、着香ワイン、果実ワイン及び発泡果実ワインおよび、 アルコール含有量10%以上の飲料に関しては「賞味期限の表示を求めてはならない」となっています。つまりビールの場合、10%未満に関しては「表示」、10%以上は「表示しない」になります。
もちろん、それぞれの国の法律が優先されますが、アメリカではアルコールに関する法律が州によって異なりますので、書いてあったり、なかったりです。それを日本に輸入すると、やはり食品表示法上省略可ですが、「輸入ビールの表示に関する公正競争規約」というのを、日本洋酒輸入協会というところが定めているので、表示する事になっています。 でも、多くのビールの場合、賞味期限はまあどうでも良くて、どちらかというといつ出来たか(新鮮さ)のほうが気になりますね。