フランスが世界に誇るコニャック、それは高貴な白ブドウから造られます。現在メインに使われているのはユニ・ブランUgni blancという品種です。
フランスのワインの原料になる白ブドウには、シャルドネやソーヴィニョン・ブランなど様々な品種があり、それぞれのワイン産地の土壌や気候に合ったものが使われています。ユニ・ブランをメインに使ったワインは、フランス南部ローヌ地方やプロヴァンス地方、イタリアではトレッビアーノの名前で全国的に生産されています。どれも比較的軽やかで飲みやすいワインというのが特徴で、それほど高級なワインを造る品種というわけではありません。コニャック地方でもブランデーのほかに白ワインも多く造られていますが、あまり日本には輸入されていません。
ワインとしてはそれほど高い評価を得ていないブドウ品種ですが、コニャックにおいては天候や土壌などとあいまって素晴らしい成果をもたらします。
通常のワイン用ブドウではアルコール度数12~14%になるまで糖度があがりますが、これは8%程度にしかなりません。通常コニャックではモロミを2回蒸留して70~72%程度の留液を得ますので、モロミのアルコール度数が低いということは香味成分かより濃縮されるということになります。
またこのブドウは完熟後も酸がしっかりと残っています。この熟していながら酸がしっかりと残っていることが、蒸留酒にとってはとても大事なポイントとなります。この酸によって、すっきりとした香り高い留液が得られるからです。 このテロワールから生まれるブドウがあるからこそ、コニャックは100年以上の熟成にも耐えられる蒸留酒の女王となりうるのです。