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爆発的に数が増えるクラフトジンの市場で、日本にさらに新たな風が吹いた。昨今、ノンアルコールカクテル「モクテル」の需要が増える中、日本にノンアルコールジンが誕生したのだ。

横浜の名店「Nemanja(ネマニャ)」の北條さんが長年をかけて開発したノンアルコールジン「NEMA」は、水をボタニカルと蒸留してできる「氣水」をブレンドすることで作られる。精油成分をアルコールより抽出したノンアルコールジンとは違い、水から蒸留されたこのジンはセルビア語で「NEMA=ゼロ」の言葉のとおり完全なノンアルコールジンに仕上がっている。初めて宇宙空間に運ばれたバラの品種である「オーバーナイトセンセーション」を蒸留したローズウォーターも使用されている。ジュニパーベリーをはじめとしたボタニカルの爽やかな香りに加えて、バラの甘い口当たりと華やかな香りがあるのが特徴だ。もちろん、そのままジントニックなどのカクテルベースにすることもできる。他にも既存のジンベースカクテルのベースの半分をNEMAに置き換えることで、低アルコールのカクテルを作るなど、バーテンダーの工夫次第で様々な可能性が期待できる。ダイニングバーなどバー以外での提供がしやすいのも大きな特徴だ。

海外ではドイツのジークフリードジンなどもノンアルコールジンを生産しており、今後日本にも輸入されることが見込まれている。クラフトジンだけでなく、ノンアルコールジンが市場に入ってくることで、さらにバリエーション豊かなカクテルが増えるだけでなく、モクテル市場も一層活性化するに違いない。

この記事を書いた人

ろっき
ろっき
1991年東京都生まれ。ジン研究家、医師。千葉大学医学部卒業。大学在学中からジンに傾倒し、サークル「アセトアルデヒド症候群」を主宰。ジンを総説する書籍がない当時、2013年から同人誌「もっとジンをおいしく飲む本」シリーズを自費出版。日本初の「ジン本」として各地のバーテンダーなどプロからも高い評価を受けた。医師として勤務する傍ら、非定期的なジンテイスティングイベント開催やイベントへの出演などジンの普及に努めている。著書「All about Gin ジンのすべて」(旭屋出版)。
ろっき
ろっき
1991年東京都生まれ。ジン研究家、医師。千葉大学医学部卒業。大学在学中からジンに傾倒し、サークル「アセトアルデヒド症候群」を主宰。ジンを総説する書籍がない当時、2013年から同人誌「もっとジンをおいしく飲む本」シリーズを自費出版。日本初の「ジン本」として各地のバーテンダーなどプロからも高い評価を受けた。医師として勤務する傍ら、非定期的なジンテイスティングイベント開催やイベントへの出演などジンの普及に努めている。著書「All about Gin ジンのすべて」(旭屋出版)。