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コラムその他コラムアフリカ地酒紀行

アフリカ地酒紀行

アフリカはウガンダ共和国へ行ってきた。

なぜ行ったのか?

直発酵・直蒸留……ウガンダの田舎にある現地のローカルの酒を飲む為だ。

ウガンダというと、日本人の僕らからすると発展途上国のイメージがある。

飲料事情はどうだろうか?

ウガンダでも都市部では、外国産ビールやウィスキーなどは多く出回っている。

しかし、農村部でそういった外国製品またはオフィシャルの国産のものは現地民にとっては高価であるため、彼らは自分で醸し、蒸留し、取引をして金銭を得るのだ。

こういう安価な酒が取り引きされているのだ。

近代的ではない、原始的な造り。

美味い、不味いではない。

風俗、土着の文化に根付いた、日本でバーテンダーをしていたらとても体験できないようなものを得たかった。

まずは、どんなものがあるのか。

現地のドブロクのようなものでも様々な呼び名がある。

とうもろこし由来のウンコンボウディ、キビ由来のマルワ。

キビ原料のどぶろく・マルワ
皆でバケツを囲み、笹のストローで飲む

さらに、それらを蒸留したものがワラギと呼ばれる(ワラギはウガンダにおける蒸留飲料の総称)。

今回、そのワラギが作られている現場を見たく、現地案内人のウガンダ人の尽力によりコンゴとの国境近くの農村部まで連れていってもらった。

その地域はバナナが名産とのこと。

ドラム缶の中に原料である熟したバナナを潰し入れ、水を加え発酵させる。

アルコールが生成し、その後、薪を燃やしドラム缶を温め蒸留。

ホースを通し湖で冷却し、蒸留された蒸留液はポリタンクへ回収される。

こういったもので粗悪な蒸留酒が出回り、毎年事故が起きる。

バナナが原料のワラギの蒸留
ドラム缶で蒸留し、湖が冷却機、ポリタンクへ回収

しかしながらこの光景はとても原始的であり、私にはそれが魅力的に感じる。 美味いか不味いかだけの判断はとてもチープであり、日本に住んでいる私にとって、日本では決して飲むことができないこのワラギは究極の嗜好品である。

この記事を書いた人

鹿山 博康
鹿山 博康https://ameblo.jp/kayama0927/
1983年生まれ。20歳の時にバーテンダーを志す。2013年7月独立し、アブサン・ジン など薬草酒を中心としたバー、Bar BenFiddichを開業する。自身の畑を外秩父の麓・ときがわ町に所有し、そこで採取したボタニカルをカクテルに使う。2015年ボタニスト・ジン・フォリッジ・カクテルコンペティション 優勝。2016年『drink nternational』より、「AsiaBest Bar 50」にて21位に選出される。
鹿山 博康
鹿山 博康https://ameblo.jp/kayama0927/
1983年生まれ。20歳の時にバーテンダーを志す。2013年7月独立し、アブサン・ジン など薬草酒を中心としたバー、Bar BenFiddichを開業する。自身の畑を外秩父の麓・ときがわ町に所有し、そこで採取したボタニカルをカクテルに使う。2015年ボタニスト・ジン・フォリッジ・カクテルコンペティション 優勝。2016年『drink nternational』より、「AsiaBest Bar 50」にて21位に選出される。