爆発的に数が増えるクラフトジンの市場で、日本にさらに新たな風が吹いた。昨今、ノンアルコールカクテル「モクテル」の需要が増える中、日本にノンアルコールジンが誕生したのだ。
横浜の名店「Nemanja(ネマニャ)」の北條さんが長年をかけて開発したノンアルコールジン「NEMA」は、水をボタニカルと蒸留してできる「氣水」をブレンドすることで作られる。精油成分をアルコールより抽出したノンアルコールジンとは違い、水から蒸留されたこのジンはセルビア語で「NEMA=ゼロ」の言葉のとおり完全なノンアルコールジンに仕上がっている。初めて宇宙空間に運ばれたバラの品種である「オーバーナイトセンセーション」を蒸留したローズウォーターも使用されている。ジュニパーベリーをはじめとしたボタニカルの爽やかな香りに加えて、バラの甘い口当たりと華やかな香りがあるのが特徴だ。もちろん、そのままジントニックなどのカクテルベースにすることもできる。他にも既存のジンベースカクテルのベースの半分をNEMAに置き換えることで、低アルコールのカクテルを作るなど、バーテンダーの工夫次第で様々な可能性が期待できる。ダイニングバーなどバー以外での提供がしやすいのも大きな特徴だ。
海外ではドイツのジークフリードジンなどもノンアルコールジンを生産しており、今後日本にも輸入されることが見込まれている。クラフトジンだけでなく、ノンアルコールジンが市場に入ってくることで、さらにバリエーション豊かなカクテルが増えるだけでなく、モクテル市場も一層活性化するに違いない。