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吉村流 ウイスキー テイスティング13
「オイル/ワックス」の香味表現

今回は吉村流テイスティング法の香味表現、アロマの「オイル/ワックス」を紹介しよう。

このカテゴリーは、すなわち油脂を思わせる香りだ。形容詞にしてオイリー、ワクシーと表現することも多い。オイリーな香りの中でも、特に蜜蝋のイメージがあるものをワクシーと表現する。蜜蝋は食物ではないので食指は動かないが、オイリーと表現するときは、オリーブオイルやバターなどの美味しそうな香りもしばしばある。

アボカドは「森のバター」などと呼ばれることもあるほどファッティーな香りなので、このカテゴリーに含めた。

オイルやワックスが好ましいアロマであるかどうかは微妙だ。食欲を鼓舞する香りは別だが、経験的にはオイリーな香りの多くがオフフレーバーだと感じる。

ハイランドモルトのクライヌリッシュはワクシーな風味が特徴的なシングルモルトとして知られるが、このウイスキーのファンは多い。最も好きなモルトだとさえ言う愛飲家もいる。オフフレーバーが感じられても、美味しさとは結局はトータルバランスなのだろう。

次回はアロマの「苦み/渋み」の表現を紹介したい。

Aroma オイル/ワックス の香味表現

アボカド
ある種のタンパク質が焦げた匂い
甘くオイリー
オイリーでドライ
オイル
オリーブオイル
カブトムシ
グレープシードオイル
とてもオイリー
マーガリン
松脂
ミシンオイル
蜜蝋
有塩バター
ワックス

この記事を書いた人

吉村宗之
吉村宗之https://ms-tasting.co.jp/
1990年頃、スコッチウイスキーの魅力に開眼、次第に傾斜を深めていく。1998年、ウェブサイト「M's Bar」を開設、書き溜めていたシングルモルトのテイスティングノートを公開。2005年、ウイスキー専門誌「THE Whisky World」の発足メンバーに。現在は、試飲のできるリカーショップ「M's Tasting Room」の運営に携わり、ウイスキー関連のイベントでは講師やアドバイザーなども務める。著書に『うまいウイスキーの科学』(ソフトバンククリエイティブ)など。
吉村宗之
吉村宗之https://ms-tasting.co.jp/
1990年頃、スコッチウイスキーの魅力に開眼、次第に傾斜を深めていく。1998年、ウェブサイト「M's Bar」を開設、書き溜めていたシングルモルトのテイスティングノートを公開。2005年、ウイスキー専門誌「THE Whisky World」の発足メンバーに。現在は、試飲のできるリカーショップ「M's Tasting Room」の運営に携わり、ウイスキー関連のイベントでは講師やアドバイザーなども務める。著書に『うまいウイスキーの科学』(ソフトバンククリエイティブ)など。