ピノー・デ・シャラント(Pineau des Charentes)は酒精強化ワイン(フォーティファイド・ワイン)の一種にあたります。簡単に言ってしまうと「ブドウ果汁にコニャックをブレンドして熟成させたデザートワインのようなもの」でしょうか。
酒精強化ワインとは、ブドウを発酵させる際に強いアルコールを加えて発酵をストップさせる手法によって作られるお酒です。発酵の過程で液中のアルコール度数が一定を超えると、酵母が働かなくなり、糖の分解が止まる現象を利用しています。その中でもピノー・デ・シャラントは未発酵のブドウ果汁にコニャックを加えて数年の熟成を経たものを指します。未発酵のブドウ果汁なので、ワインというよりもカクテルといったイメージのほうが合っているかもしれません。
加えられるコニャックはアルコール度数60度以上のものを用いており、その他「ブドウ果汁とコニャックが同じブドウ園のものでなければならない」や「出荷時のアルコール度数は16~22度の間」などの細かい基準がAOCで定められています。
ピノー・デ・シャラントはブドウ果汁とコニャックのブレンド後に樽熟成されます。赤(ロゼ)と白で最低熟成年数の基準が異なります。赤/ロゼ:最低14ヵ月熟成(うち8ヵ月はオーク樽熟成)。 白:最低18ヵ月熟成(うち12ヵ月はオーク樽熟成)。一般的には5~15年程熟成させるメーカーが多いようです。 レローやジャンフィユー、ダニエルブージュなどコニャックの造り手として有名なブランドも多くピノー・デ・シャラントを作っています。ブドウ果汁の糖分が多く残っており、とても甘口なのが特徴で、強いお酒が苦手な人にもコニャックの違う側面を楽しんでもらうことができるのではないでしょうか。是非一度お試しあれ。