今回のペアリング
森の恵みと地鶏レバーのパイ包み × アドニス 山遊び仕立て
アドニス 山遊び仕立て
レシピ
- オロロソ・シェリー 40ml
- スイート・ヴェルモット 30ml
- ダージリン・ビターズ 1tsp (*) *ダージリン・ビターズ バカルディ8 200ml、ダージリン 5g、カルダモン 1粒、クローブ 3粒 材料を5時間ほど浸け込んで、フィルターにかける。
ガーニッシュ
- オレンジスライス 1枚
- スイート・ヴェルモット 30ml
- シナモン(シェリーブランデーに一晩浸けた後、乾燥させておいたもの。提供直前に少し炙る) 1本
<料理が常温の場合>
①ガーニッシュ以外の材料をロックグラスに注ぎ、クラック・ド・アイスを7分目まで入れる。
②オレンジスライスを飾り、シナモンスティックをグラスの上に添える。
☆提供時に、「味が水っぽくなりましたら、シナモンスティックでオレンジを潰して味わいに深みを持たせてください」と一言添える。
<料理が焼きたての場合>
①材料をミキシンググラスに入れて大きめの氷でステアし、やや高めの温度で仕上げる。ボルドー型の大きいワイングラスに注ぐ(香りと共にお愉しみ頂く)。
②シナモンスティックを別皿で添える。
☆別添えのシナモンスティックは「味わいが単調に感じた際にお使いください」とお伝えする。
森の恵みと地鶏レバーのパイ包み
レシピ(6人前)
- パイ(市販の物) 1枚
詰め物
- キノコ 舞茸 1株 しいたけ 5個 マッシュルーム 5個 クミンシード 適量 塩・胡椒 適量
- 地鶏のレバー 200g
- クリームチーズ 100g
- 塩・胡椒 適量
栗のクーリ
- 栗の渋皮煮 5個
- 煮汁 100ml
作り方
下準備
⑴詰め物
- キノコ類を5mm角に切る
- 分量外のバターをフライパンに入れ、塩胡椒で味をつける。クミンシードと共に中火で炒める。
- キノコの表面がしんなりと半透明になったら火を止め、バットに入れて冷やしておく。
⑵地鶏のレバー
- 地鶏の下処理として、牛乳に60分ほど浸け込む。包丁でレバーを軽く開いて、血を取る。
- 浸け込んだレバーを水で軽く洗い、ペーパータオルで水分を取る。
- フライパンにバターを入れて、塩胡椒をしたレバーに中火で火を通す。火を通しすぎると舌触りが悪くなるので、両面がこんがりときつね色になったら火を止めて余熱で火を通していく。
⑶パイ生地
- 市販のパイシートを厚さ3mmほどに伸ばす。
- 15cm程度のセルクルで丸く型取りをしておく。
⑷栗のクーリ
①市販の渋皮煮をジュースと一緒にミキサーにかけて、裏ごしをしておく。
仕上げ
- 地鶏のレバーを2cm角に切る。
- パイ生地の端に卵黄を塗り、キノコ、レバー、クリームチーズの順番で、具がはみ出ないようパイ生地にのせて、上から別のパイ生地をかぶせる。パイ生地の端と端を一緒に掴み、内側へ丸めて閉じていく。
- 丸く膨らんだ上部の部分に、包丁で縦に軽く3本ほどの切り込みを入れる。上から卵黄を塗り、200度に設定したオーブンで10分焼く。
- 包丁で縦半分に切って皿に盛り、栗のクーリを添えて提供する。
今回のペアリング・ポイント
パイ包み料理は常温でも美味しくご提供でき、調理設備が少ないバーでも取り入れ易いフードだと思います。
今回のペアリングは、温度差による味わいの感じ方に焦点を当て、秋の山々の恵みの滋味深さと野趣溢れる味わいを、より引き上げるペアリングを考えました。ポイントは、料理との温度差をつけすぎないという事。温度差が開くと効果的な場合もありますが、今回のように素材同士の旨みや膨らみを目的とする場合は、あまり温度差をつけない方が、ペアリングとしてお客様に理解し易いのではないかと思います。
今回のペアリングでは、「料理と近しい香りと味わいの素材をつなぎ合わせる」「ペアリングの基本となる同系色の色合いのもの」のほか、スパイスや苦みなどを加えることによって料理に「補完」という手法もとり、料理とお酒の旨みを引き出すというペアリングに仕上げました。
この料理とのペアリングの可能性は、まだまだ他にもありますので、ご興味を持たれた方は是非色々とお試しいただければ光栄です。