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吉村流 ウイスキー テイスティング14
「苦み/渋み」の香味表現

今回は吉村流テイスティング法の香味表現、アロマの「苦み/渋み」を紹介しよう。

苦みは本来、香りではなく味の表現だ。アロマにおける苦みとは、苦い味を想像する香りということになる。アロマテラピーにおいては「ビターな香り」という概念が存在するが、これはスイートやクリアの対義語として、便宜的に使われているという理解だ。それに対し、渋い香りというのも存在する。

どちらも好ましいアロマとは言い難く、吉村流ではオフフレーバーだと位置づけているが、少し苦いウイスキーが好きだとおっしゃるドリンカーがいることもまた事実だ。

苦みを感じる食物といえば、焦げた、もしくは焦がしたものがまず頭に浮かぶ。食欲をそそるこんがり感はむしろ好ましいが、焦がし過ぎは不快でしかない。なおスコッチではほとんど見かけないが、高温で焙煎したチョコレートモルトで仕込んだウイスキーにも苦いウイスキーはしばしばある。

苦みは野菜にも感じることは多く、香味表現としてよく使う。ゴーヤやチコリ、エンダイブ、クワイなどだ。だがどちらかといえば、アロマよりもフレーバーの表現として使うことの方が多い。

食物以外では、苦いアロマを樹皮と表現することもある。樹皮をかじれば苦いことは、誰でも容易に想像がつくだろう。これもアロマよりもフレーバーの表現でよく使う。

渋みは、ワイン樽熟成のウイスキーでしばしば見受けられる。特に赤ワインで顕著だが、その理由はわかりやすい。だがシェリーなどの、酒精強化ワイン樽で寝かされた、もしくは後熟されたウイスキーは渋みがなく素晴らしい風味のものも多い。

次回はアロマの「ひね香」と「他の酒」の表現を紹介したい。

Aroma 苦味/渋み の香味表現

硬い樹皮
グレープフルーツの綿
香ばしい焦げ臭
樹皮
針葉樹の外皮
すす
ドライで心地いい渋香
ブドウの皮を噛んだような渋さ
プルーンの赤ワイン煮
レモンの綿
ワイン樽

この記事を書いた人

吉村宗之
吉村宗之https://ms-tasting.co.jp/
1990年頃、スコッチウイスキーの魅力に開眼、次第に傾斜を深めていく。1998年、ウェブサイト「M's Bar」を開設、書き溜めていたシングルモルトのテイスティングノートを公開。2005年、ウイスキー専門誌「THE Whisky World」の発足メンバーに。現在は、試飲のできるリカーショップ「M's Tasting Room」の運営に携わり、ウイスキー関連のイベントでは講師やアドバイザーなども務める。著書に『うまいウイスキーの科学』(ソフトバンククリエイティブ)など。
吉村宗之
吉村宗之https://ms-tasting.co.jp/
1990年頃、スコッチウイスキーの魅力に開眼、次第に傾斜を深めていく。1998年、ウェブサイト「M's Bar」を開設、書き溜めていたシングルモルトのテイスティングノートを公開。2005年、ウイスキー専門誌「THE Whisky World」の発足メンバーに。現在は、試飲のできるリカーショップ「M's Tasting Room」の運営に携わり、ウイスキー関連のイベントでは講師やアドバイザーなども務める。著書に『うまいウイスキーの科学』(ソフトバンククリエイティブ)など。