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吉村流 ウイスキー テイスティング15
「ひね香/他の酒」の香味表現

今回は吉村流テイスティング法の香味表現、アロマの「ひね香」と「他の酒」を紹介しよう。

「ひね香」とは

「ひねる」は漢字では「陳ねる」と書く。年を経て古くなったという意味だ。すなわち「ひね香」とは古さを感じたときに用いる表現なのだが、どのような香りかを言葉で言い表すことは難しい。

干し椎茸の戻し汁のようだという人もいる。この風味の由来は劣化した着色カラメルであり本来オフフレーバーなのだが、出汁のような旨みを感じることもある。それについては以前「出汁」の香味表現の解説でも触れたのでこのくらいにしておこう。

「他の酒」のアロマ

「他の酒」のアロマは、ウイスキーの熟成樽に元々詰めてあった酒に由来する場合と、それとはまったく関係ない場合とに大別できる。

シェリーの空き樽で熟成されたウイスキーにシェリー風味を感じるのはごく自然なことだが、興味深いのはそうではないケースだ。焼酎やリキュール、ウォッカ、ブランデー、スパークリングワインなど、風味から連想できる酒の種類は多岐にわたる。例えばコアントローなどの、特定のリキュールが思い浮かぶこともある。

次回はアロマの「異臭/その他」と「印象」の表現を紹介したい。

Aroma 他の酒 の香味表現

甘くないブランデーシェリーのマンサニージャ
アルマニャックの古酒シェリー由来のドライな香り
泡盛シェリッシュ
芋焼酎紹興酒
ウォッカスパークリングワイン
奥に甘いシェリーズブロッカ
オロロソシェリーチェリーブランデー
貴腐ワイン長熟のバーボン
キルシュワッサードライシェリー
くどくないシェリーフィーヌ
桂花陳酒フィノシェリー
コアントロー深みのあるシェリー
コーヒーリキュールマデイラ
黒糖焼酎マルサラワイン
コニャック麦焼酎
シェリーリモンチェッロ

この記事を書いた人

吉村宗之
吉村宗之https://ms-tasting.co.jp/
1990年頃、スコッチウイスキーの魅力に開眼、次第に傾斜を深めていく。1998年、ウェブサイト「M's Bar」を開設、書き溜めていたシングルモルトのテイスティングノートを公開。2005年、ウイスキー専門誌「THE Whisky World」の発足メンバーに。現在は、試飲のできるリカーショップ「M's Tasting Room」の運営に携わり、ウイスキー関連のイベントでは講師やアドバイザーなども務める。著書に『うまいウイスキーの科学』(ソフトバンククリエイティブ)など。
吉村宗之
吉村宗之https://ms-tasting.co.jp/
1990年頃、スコッチウイスキーの魅力に開眼、次第に傾斜を深めていく。1998年、ウェブサイト「M's Bar」を開設、書き溜めていたシングルモルトのテイスティングノートを公開。2005年、ウイスキー専門誌「THE Whisky World」の発足メンバーに。現在は、試飲のできるリカーショップ「M's Tasting Room」の運営に携わり、ウイスキー関連のイベントでは講師やアドバイザーなども務める。著書に『うまいウイスキーの科学』(ソフトバンククリエイティブ)など。